マリア・ジョアン・ピレシュ マリア・ジョアン・ピレシュの概要

マリア・ジョアン・ピレシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/17 23:38 UTC 版)

マリア・ジョアン・ピレシュ
2009年
基本情報
生誕 (1944-07-23) 1944年7月23日(78歳)
出身地 ポルトガルリスボン
学歴 ミュンヘン音楽アカデミー
ジャンル クラシック音楽
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ

名前の表記

日本では長らくマリア・ジョアオ・ピリスもしくはマリア・ジョアン・ピリスという表記と発音が広く定着し、CDジャケットや雑誌媒体などで多々使用されてきた。しかし現在では、NHK教育テレビNHK-FMを初めとしたクラシック音楽番組ではマリア・ジョアン・ピレシュとされており[1]、近年発売のCD表記も後者に改められている。

しかし、依然としてマリア・ジョアン・ピリスと表記するものもあり[2]、日本でも人気の高いピアニストであるにもかかわらず、名前表記が統一されていないのが現状である。

略歴

早年期

リスボンで生まれた[3]。幼少期からピアノを始め、7歳でモーツァルト協奏曲を公開演奏した。9歳で、ポルトガル政府から青少年音楽家に与えられる最高の栄誉を受け取った。1953年から1960年までリスボン大学で作曲・音楽理論・音楽史を師事。それから西ドイツに留学し、ミュンヘン音楽アカデミーローズル・シュミットハノーファーカール・エンゲルの各氏に学ぶ。1970年に、ブリュッセルで開かれたベートーヴェン生誕200周年記念コンクールで首位となる。この間に、個人的にヴィルヘルム・ケンプの薫陶を受ける。1970年代には、デンオンと契約してモーツァルトのピアノソナタ全集を録音した。

故障から復活、世界的ピアニストへ

手首の故障から一時期、演奏活動から遠ざかっていたが、1980年代に復活を果たし、1986年ロンドン・デビュー、1989年ニューヨーク・デビューを果たす。1987年には、クラウディオ・アバド指揮するグスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団のヨーロッパ・デビュー・コンサートに客演し、共にハンブルクパリアムステルダムを廻った。

室内楽演奏にもすぐれており、1989年よりフランス人ヴァイオリニストオーギュスタン・デュメイと組んで演奏や録音を続け、1992年1994年には、2人でヨーロッパ各地や日本での演奏旅行を行っている。1998年には、チェリストジャン・ワンを加えたトリオとして、極東ツアーを行った。

1989年よりエラート・レコードからドイツ・グラモフォンの専属アーティストに移籍(デュメイも同時期にEMIから移籍)。モーツァルトのピアノソナタ集の録音により、1990年に国際ディスク・グランプリ大賞CD部門受賞。ほかに、モーツァルトとショパンのピアノ協奏曲やシューベルトの作品集、デュメイとの共演によるブラームス、モーツァルト、フランクグリーグドビュッシーラヴェルヴァイオリンソナタがある。そのほかに、シューマンの『ウィーンの謝肉祭の道化』と、オーボエ奏者のダグラス・ボイドとの共演による『幻想小曲集 作品73』などの録音がある。

2008年8月~12月、NHK教育テレビの番組『スーパーピアノレッスン』の講師を務めた。

引退

2017年12月、73歳にて2018年中の契約をもって現役の舞台からは退くこととし、以降は後進の育成に努める旨を表明した[4]


  1. ^ スーパーピアノレッスン(NHK教育テレビ、2008年8月より講師を務める)
  2. ^ ユニバーサルミュージックのサイトなど。
  3. ^ 著者吉澤ヴィルヘルム、発行者矢野恵二『ピアニストガイド』株式会社青弓社、印刷所・製本所厚徳所、2006年2月10日、242ページ、ISBN 4-7872-7208-X
  4. ^ NHK教育テレビ、2018年6月10日放送「クラシック音楽館」
  5. ^ [1]
  6. ^ [2]


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