キューピー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/23 23:35 UTC 版)
キューピーのイメージを使用している企業
- アメリカの「キューピー・ハンバーガー」(Kewpee Hamburgers)というハンバーガー・チェーンは綴りが違うものの、ロゴにキューピーを使用している。
- 日本の食品メーカー、キユーピー株式会社(「ユ」の文字が大きい) - 1922年に「キユーピー」の文字およびイラストを商標登録(登録商標日本第147269号)している。同社製品のマヨネーズなどのパッケージにイラストが描かれている。英文商号は以前は「Q.P. Corporation」としていたが、2010年2月23日より綴りの同じ「Kewpie Corporation」に変更された。
- 日本の石鹸メーカーである牛乳石鹸共進社もキューピーのキャラクターを使用した「キューピーベビーシリーズ」等を製造している。
- 日本の長期信用銀行であった日本興業銀行(現・みずほ銀行)もキューピーを使用していた。
- また、日本のポップロックバンド「アーバンギャルド」もキューピー人形の意匠を度々使用している。
キャラクター展開
キューピー・グッズは人形、イラストを含め、多種多様な製品が作られている。日本では2007年より「キュージョン」(「キューピー」と「フュージョン」をつなげた造語)というキャラクター展開がなされており、ほかのキャラクターのコスプレをしたキューピーを多数作っており[5]、ご当地限定グッズの展開も行っている[6]。
著作権などの権利
1998年にローズ・オニール遺産財団からキューピーの日本での著作権を譲り受けた「日本キューピークラブ」の代表が、「キユーピーマヨネーズのロゴマークは著作権侵害にあたる」としてキユーピーを訴えた事件の控訴審[7]の判決文にはキューピーの著作権は戦時加算も含めて2005年5月6日まで存続したことを認定した上で、「日本キューピークラブ」がキューピー人形の著作権者であることを認容するとともに、キユーピー株式会社の使用イラストとは相違点が数々あり、ローズ・オニール原作の複製物、原作から翻案された二次的著作物のどちらにも当たらず、また「日本キューピークラブ」の代表が示したキューピー人形との立体化において発生した二次的著作物とも類似点がないとして、日本キューピークラブの控訴を棄却したという判例がある[8]。また商標権については、キユーピーは飲食料品に対し商標権(防護商標も含む)で保護しており(他の品目については他社で権利保有)、飲食料品について類似または誤認する商品が出れば訴えざるを得ないとZAKZAKの取材に対して回答している[9]。しかしキューピー自体の著作権は2006年にはすでに失効しており、デザインそのものについては口を挟めない、とキユーピー広報は回答している[9]。また日本大学の板倉宏名誉教授は『キューピーを会社のロゴや商品の「顔」として使用すると商標権に抵触するが、キューピーのキャラクターそのものについての使用権は著作権の範疇であり、著作権が失効しているキューピーそのものを(改変・翻案して)商品として扱うのは何ら違法ではない』と述べている[9]。著作権が失効したことから、キューピーが改変されまくり、本来の可愛らしさが失われる現状についてはキユーピー、日本キューピークラブともに胸を痛めているという[9]。
キューピーを題材とした作品
楽曲
- おもちゃのマーチ(作詞:海野厚、作曲:小田島樹人、1923年発表)
- おひなまつり(作詞:斎藤信夫、作曲:海沼実)
- キューピーさん(作詞:葛原しげる、作曲:弘田龍太郎、歌:中尾祥子、1924年発表)
- キューピー・ピーちゃん(作詞:野口雨情、作曲:中山晋平、1930年発表)
- わたしのキューピーちゃん(作詞:久保田宵二、作曲:佐々木すぐる)
- キューピー・ドール(作詞・作曲:Sid Tepper、Roy C. Bennett、歌:ペリー・コモ他、1958年発表)
- キューピーちゃん(作詞:吉川昇、作曲:吉川昇、歌:吉川団十郎一座、1974年発表)
- 一銭五厘のキューピーさん(ゴムとび歌、原曲:リパブリック讃歌)
- キューピーの観兵式(作曲:リベルリ)
- 小舟のキューピー(作曲:ガストルディ)
- たらこ・たらこ・たらこ(作詞:加藤良1、作曲:上野耕路、2004年発表。CD発売は2006年)
また、1921年発表の童謡「青い眼の人形」(作詞:野口雨情、作曲:本居長世)も、キューピーがモデルという説がある。
アニメ
- 2009年12月よりWOWOWで放送。ローズ・オニールの原画のタッチを再現している。
- ^ このキューピーの起源については、大阪高裁(H16(ネ)1797)において、「1903年のCOSMOPOLITANに掲載されたキューピーのイラストには、すでに現在のキューピーの特徴が現れている」旨の記載があり、「1909年のレディース・ホーム・ジャーナルに掲載されたキューピーのイラストは1903年のイラストの2次的著作物である」と認定されている。またその後の平成20年11月17日に判決が言渡された、知的財産高等裁判所の平成 20年 (行ケ) 10139号では1909年に発表したイラストをキューピーとしており[1]、ローズ・オニール・キューピーの公式サイトでも、1909年に誕生と記載されている。
- ^ 「20世紀の天使たち キューピーのデザイン」6ページ
- ^ 「20世紀の天使たち キューピーのデザイン」20ページ
- ^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868-1925』河出書房新社、2000年、397頁。ISBN 4-309-22361-3。
- ^ ハッピーコラボレーションキュージョン
- ^ 地域限定キューピー
- ^ 平成11年(ネ)第6345号 著作権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成10年(ワ)第13236号)
- ^ “平成11年(ネ)第6345号 著作権侵害差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成10年(ワ)第13236号)(平成12年12月6日口頭弁論終結) 判決” (pdf) (2001年5月30日). 2022年11月30日閲覧。
- ^ a b c d “グロはOK!? 「キューピー」いじられまくりのワケ”. ZAKZAK. (2009年1月5日). オリジナルの2009年1月25日時点におけるアーカイブ。 2012年10月29日閲覧。
- 1 キューピーとは
- 2 キューピーの概要
- 3 キューピーのイメージを使用している企業
- 4 参考文献
キューピーと同じ種類の言葉
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