カール・クラウス (作家)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > カール・クラウス (作家)の意味・解説 

カール・クラウス (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/22 04:20 UTC 版)

カール・クラウスの生家に飾られている銘板
Karl Kraus

カール・クラウス(Karl Kraus, 1874年4月28日 ボヘミア・ギッチン Gitschinチェコイチーン Jičín) - 1936年6月12日 ウィーン)はオーストリア作家ジャーナリストモラヴィア出身のユダヤ人ウィーン世紀末文化の代表者。

1899年、闘争的な評論雑誌Die Fackel (火(「炬火」とも))」を創刊、編集を行う。同誌は1912年以降はクラウスの個人誌となり、彼が亡くなる1936年まで中断を挟みつつも刊行が続けられた。権力や社会、文化に対する辛辣な批判と笑いによって、当時のウィーンに大きなインパクトを与えたとされる。

風刺的な時代批判を含む詩・随筆などは、厭世観を示すともいわれる。1922年刊行の全5幕の戯曲『人類最後の日々』は、第一次世界大戦を当時の資料に基づいてドキュメンタリー風に再現したもので、現代政治・寓話劇の先駆的作品の一つとなった。本作にはハンス・アイスラーが曲を付けたが、あまりに長大なため完全な形で上演されたことはない。1933年にはナチスを批判する『第三のワルプルギスの夜』を完成したが、生前は極一部の発表に留まり、出版は死後の1952年となった。

執筆活動と共に公開朗読会を開き、その回数は700回に及んだ(ごく一部は録音されて今日に残されている)。

1936年2月、自転車にはねられたのが元で体調を崩し、通算700回目の朗読会を開いた後に心臓発作と脳障害で死去。ウィーン中央墓地に埋葬された。「火」は、事故直前に刊行された922号が最終号となった。

主な作品

日本語訳

  • 『著作集』(未完結)
    • 『カール・クラウス著作集 5 アフォリズム』(池内紀 編訳、法政大学出版局、1978年)、ISBN 4-588-12065-4
    • 『カール・クラウス著作集 6 第三のワルプルギスの夜』(佐藤康彦 他訳、1976年、法政大学出版局)、ISBN 4-588-12066-2
    • 『カール・クラウス著作集 7・8 言葉』(武田昌一 他訳、法政大学出版局、1993年3月)、ISBN 4-588-12067-0
    • 『カール・クラウス著作集 9 人類最後の日々(上)』(池内紀 訳、法政大学出版局、1971年)、普及版2016年、ISBN 4-588-49034-6
    • 『カール・クラウス著作集 10 人類最後の日々(下)』(池内紀 訳、法政大学出版局、1971年)、普及版2016年、ISBN 4-588-49035-4
  • 『モラルと犯罪』(小松太郎訳、法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、1970年)、ISBN 4-588-00016-0
  • 『黒魔術による世界の没落』(山口裕之、河野英二訳、現代思潮新社〈エートル叢書〉、2008年)、ISBN 4-329-01018-6

関連文献

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「カール・クラウス (作家)」の関連用語

カール・クラウス (作家)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



カール・クラウス (作家)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのカール・クラウス (作家) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS