インドネシア料理 外食

インドネシア料理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 21:36 UTC 版)

外食

料理店

スンダ料理。床に座って食べる。

インドネシア各地ではパダン料理店が一般的である。客がテーブルにつくと、10種類以上の煮込み料理が出て来る。好きな料理を好きなだけ食べ、食後に食べた分だけ代金を払う。

場所によって、パダン料理店の他に、中華料理店、スンダ料理店、グドゥッと伝統的なアヤムゴレン(鶏の揚げ物)の専門店を含むジャワ料理店、マカサル料理、マナド料理、バタク料理店もある。大都市にはピザ、フライドチキン、ハンバーガーチェーン店もある。

ほとんどの料理店では料理を持ち帰ることができる。パダン料理店のナシブンクスは旅行やピクニックの弁当として人気がある。ビニールスプーンが無料で付いてくることもある。代は別料金で、パダン料理店とグドゥッ専門店では紙箱にご飯とおかずを入れたものをナシコタッ(nasi kotak、箱に入ったご飯の意)という。

屋台

バッソ(牛肉団子)を売るカキリマ
ミーバッソ
移動式屋台のパン屋

カキリマ(kaki lima)と呼ばれる屋台では麺料理、サテ(鶏肉のサテアヤム、山羊肉のサテカンビン、パダン風のサテパダンなど)、マルタバッ(martabak)、ソトアヤムピサンゴレン(pisang goreng、揚げバナナ)、ブブカチャン・ヒジャウ(bubur kacang hijau、緑豆粥)、魚介料理などを販売している。カキリマの本来の意味は「5フィート」で、歩道の幅を指し、食べ物やその他の物品を歩道で販売することを表す言葉である。本物の屋台のおいしさをアピールするレストランもあり、店の前に屋台を飾り、サテ、ソト、麺料理、ソマイ(siomay、ピーナッツソースで食べる魚の焼売)など様々な料理を販売する。

屋台の営業時間は食べ物の種類によって異なる。早朝から営業する屋台はブブアヤム(bubur ayam、鶏粥)、緑豆粥など。正午から営業するのはラクサ、ゴレンガン(gorengan、揚げ物各種)、ソマイ、バタゴル(batagor)、トゲゴレン(toge goreng)、麺料理、ソトアヤム、かき氷の屋台である。午後4〜5時からの営業はミーゴレン、ナシゴレン、サテ(サテアヤム、サテカンビン)、マルタバッ、ピサンゴレンの屋台などである。都会の夜を繁華街の歩道で営業するカキリマが街を賑やかにする。

移動式屋台は荷車、改造した自転車オートバイに乗った物売りである。パンを始め、麺料理、ミー・パンシッ(mi pangsit、ワンタン麺)、バーワン、トゲゴレン、鶏粥、ソマイを売る。移動式屋台は独特の掛け声やを叩いて、販売する料理を宣伝する。

ジョグジャカルタの繁華街マリオボロ通り(Jalan Malioboro)には地面の上にマットを広げたレセハン(lesehan)という屋台があり、主にグドゥッを商う。ジャワ語で「レセハン」とはに座るという意味である。ストリートミュージシャンが必ず現れ、客から貰う小銭を期待して歌を歌う。

ジョグジャカルタの夕方から営業するワルン(warung)はアンクリンガン(angkringan)という。コーヒーなどの飲み物とスナックや、セゴクチン(segå kucing、ネコご飯の意)という数口分のご飯とおかずを販売する。アンクリンガンはジャワ語でリラックスして座るという意味で、ジョグジャカルタの薄暗いところで世間話をする場所である。

ワルン

ワルン

ワルンとは小さなという意味で、庶民の食堂を示す。ワルンの食べ物は値段が安く、衛生面で問題がないとはいえない。バリ島の各地ではナシチャンプルなどを販売するワルンが多い。

ワルントゥガル(Warung Tegal)はトゥガル人が経営する食堂で手頃な値段で料理が食べられ、ジャカルタでよく見かける。食事だけではなく、コーヒーや飲み物を販売する。


  1. ^ a b Forshee, Jill (2006). Culture and customs of Indonesia . Greenwood Publishing Group. pp. 128. ISBN 0-3133-3339-4 
  2. ^ a b c d Meyer, Arthur L.; Jon M. Vann (2003). The Appetizer Atlas: A World of Small Bites. New Haven and London: John Wiley and Sons. pp. 195. ISBN 0-4714-1102-7 
  3. ^ Indonesia - The World Factbook”. 2009年7月26日閲覧。
  4. ^ 【ASIAトレンド】インドネシア即席麺、発売50年/考案者悼む声 消費刺激日本経済新聞』朝刊2021年3月10日(国際面)同日閲覧
  5. ^ Watanabe, Kazuo N.; Eija Pehu (1997). Plant biotechnology and plant genetic resources for sustainability and productivity. Elsevier. pp. 34. ISBN 0-1273-7145-1 
  6. ^ a b c d Holzen, Heinz Von; Wendy Hutton, Lother Arsana (1999). Food of Indonesia: Authentic Recipes from the Spice Islands. Tuttle Publishing. pp. 22. ISBN 9-6259-3389-1 
  7. ^ a b c Primary society and environment. R.I.C. Publications. (2004). pp. 131. ISBN 1-7412-6128-7 
  8. ^ マカンは食事、パギは朝の意。
  9. ^ シアンは昼の意。
  10. ^ マラムは夜の意。
  11. ^ “戒律の国・インドネシア 酒を楽しむ人増加”. NHK. (2015年10月10日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151010/k10010265351000.html 2015年10月12日閲覧。 
  12. ^ McDonald, George; Jon M. Vann (2003). Frommer's portable Amsterdam . New Haven and London: John Wiley and Sons. pp. 195. ISBN 0-7645-6748-9 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インドネシア料理」の関連用語

インドネシア料理のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インドネシア料理のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインドネシア料理 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS