イカロス (恒星)とは? わかりやすく解説

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イカロス (恒星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/08 21:51 UTC 版)

MACS J1149 Lensed Star 1
イカロスの出現位置及び観測波長帯を示した図。銀河団MACS J1149+2223(左)の重力レンズに加えて、銀河団中の恒星状天体が手前を通過することで、大幅に増光した。2011年(右上)にはイカロスはみえていなかったが、2016年(右下)にはみえている。出典: NASA, ESA, P. Kelly (University of Minnesota)[1]
仮符号・別名 イカロス
星座 しし座[1]
見かけの等級 (mv) 27 - 28(AB等級)[2][注 1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  11h 49m 35.661s[1]
赤緯 (Dec, δ) 22° 23′ 48.07″[1]
赤方偏移 1.49
距離 94 億光年[1]
絶対等級 (MV) -9.0[2]
物理的性質
半径 180 +80
−140
R[3]
スペクトル分類 B[2]
光度 6 ×105 L[3]
表面温度 11,000 - 14,000 K[2]
金属量[Fe/H] -0.5(太陽比)[2]
年齢 ~8 ×106 [2]
他のカタログでの名称
MACS J1149+2223 Lensed Star 1, MACS J1149 LS1
Template (ノート 解説) ■Project

MACS J1149 Lensed Star 1、愛称イカロス(Icarus)は、重力レンズ現象による増光を利用して観測された、遠方の系外銀河内にある青色超巨星である。発見時、単独の恒星として検出された最も遠い恒星で、赤方偏移

イカロスの観測データ(赤い菱形)と、青色超巨星の理論的なスペクトル(青線)を比較すると、とてもよく合っている。出典: NASA, ESA, A. Feild (STScI)[1]

この天域をHSTで撮像した画像は、2004年から存在しており、遡って調べた結果、2013年から2015年に観測された画像でも、同じ光源がみえており、2016年4月の画像で明るくなったことがわかった。2016年5月の観測で、点光源の明るさは極大となり、2013年から2015年と比べ4倍程度明るくなった。HSTの観測データから、スペクトルエネルギー分布(SED)の時間変化も調べられ、明るさが変化してもスペクトルには変化はみられなかった。これは、超新星などの爆発現象ではあり得ないことで、天体に固有の増光ではなく、重力レンズ現象であることが示唆される。分析の結果、この点光源は、単独の恒星の光が重力レンズ効果によって2000倍以上明るくなったものと見積もられた。この重力レンズは、53億光年の距離にあるMACS J1149+2223の巨大な質量によるものだけではなく、銀河団内にあると思われる、恒星やコンパクト天体などの別の小天体による重力マイクロレンズ英語版が重なったことで、これだけの増光率が得られたものとみられる。SEDの形状から、光源となった恒星は青色超巨星であると考えられる。また、この青色超巨星は、超新星レフスダールと同じ母銀河に所属することもわかり、その銀河は赤方偏移


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