アルキン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 20:15 UTC 版)
天然物
アルキンは天然物としてはそれほどありふれたものではなく、よく知られている化合物は1000種類程度である。そのうち生理活性を示すものは多くないが、殺菌剤、自己防衛のための毒、あるいは誘引物質などとして知られるものもある。
例えばヤドクガエルは哺乳類や爬虫類などの捕食者から身を守るためにヒストリオニコトキシンと呼ばれる毒素を皮膚から分泌するが、これは分子内に2つのアルキンを持つ化合物である。また、アルキンを含む天然物群の一角はエンジイン構造を持つ抗生物質によって占められている。活性部位にエンジイン構造を持つカリケアミシン・ネオカルチノスタチンなどの天然物は細胞毒性または抗腫瘍活性を示すものが多く、それらは化学療法剤として利用できる可能性を持つ。
その他には、ドクゼリの毒成分シクトキシン、中国雲南省に自生するホウライタケ科の猛毒菌Trogia venenataの毒成分2R-アミノ-4S-ヒドロキシ-5-ヘキシン酸と2R-アミノ-5-ヘキシン酸[3]などが知られる。
主なアルキン
- アセチレン C2H2
- プロピン(メチルアセチレン) C3H4
- ブチン(1-ブチン、2-ブチン) C4H6
- ペンチン(1-ペンチン) C5H8
- アセチレンジカルボン酸ジメチル (DMAD)
- ジフェニルアセチレン(トラン)
- プロパルギルアルコール
関連項目
- アルカン
- アルケン
- ベンザイン - 構造式で C≡C 三重結合が描かれる芳香族中間体。
- ニトリル - C≡N 三重結合を持つ化合物群。
- ポリアセチレン - アセチレンが重合した高分子。
- ポリイン
- カルビン
参考文献
- ^ Ohira, S. Synth. Commun. 1989, 19, 561.
- ^ Müller, S.; Liepold, B.; Roth, G.; Bestmann, H. J. Synlett, 1996, 521. DOI: 10.1055/s-1996-5474
- ^ Deadly chinese mushrooms: Amino acids revealed as cause of deaths in Yunnan province., Internetchemistry.com, 2012年2月12日
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