アスリート アスリートの概要

アスリート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/09 01:51 UTC 版)

ニューヨークシティマラソンに参加した大勢のアスリートたち(2005年)
パラリンピック車いす陸上競技 T54クラスで活躍するアスリートたち(2009)
オリンピックの七種競技に参加したアスリートたち(2008年)

運動選手(うんどうせんしゅ)、スポーツ選手(スポーツせんしゅ)、スポーツマン(英: sportsman)ともいう。

概説

オックスフォード辞典では「スポーツや、他の形式の身体運動に習熟している人[1]」という定義を、メリアム=ウェブスター辞典は「スポーツや、身体的強さや俊敏性やスタミナを要求されるゲームについてトレーニングを積んだり技に優れている人のこと[2]」という定義を、それぞれ掲載している。

アスリートという言葉は、「競技会やコンテストの参加者」を意味するギリシャ語の「άθλητὴς(athlētēs アスレーテース)」に由来している。この語は「競技」を意味する「ἂθλος (áthlos アスロス)」「ἂθλον (áthlon アスロン)」からの派生語である[注 1]

イギリス英語では、athleteには「競技的トラック&フィールド・イベントに参加する人」(A person who takes part in competitive track and field events (athletics)という用法も(2番目の用法として)ある[3]大辞泉では、主として陸上競技水泳球技などの選手について言う、との説明文を掲載している[4]

日本では「スポーツ選手」の語が一般的であったが、1990年代後半から英語の「アスリート」が使われることが増えた。当初、アスリートは「陸上競技選手」の意味で用いられたが、後に「プロ/アマ」という文脈での使用、そして「障がい者」「プロ選手一般」「国際的に活躍するプロとアマ」「スポーツ愛好家」全般を含めた使用へと拡大していった[5]。この変遷には、プロとアマの競技の平等化、障がい者と健常者の競技における平等化、身体の自己管理、スポーツ権の向上や拡大および自己表現としてのスポーツといった新しいスポーツ観が反映されている[5]

アマチュアとプロ

アスリートや競技について「アマチュア」と言う場合、愛好家、愛する人という意味で、もともと基本的には、競技以外にしっかり本職をもっていて、競技を生活の糧を得る手段に使わず純粋にそれを愛好する人のことを指した。それに対して「professional プロフェッショナル」(略して「プロ」)とは、競技に参加することを職業とし、それで生活の糧を得る(お金を得る)人のことを指す。

プロアスリートであれば、必ず金銭的対価を得られるわけではない。『フォーブス』が発表する世界のスポーツ選手上位50人の年収順リスト(スポーツ選手長者番付)では、アメリカンフットボールバスケットボールサッカーのプロが8割近くを占めており[6]、同じプロでも収入に多寡があることがうかがえる。

日本のスポーツイベント市場規模は、競馬(40%)・競艇(16.4%)・競輪(12.9%)・野球(9.6%)・サッカー(5.9%)・ゴルフ(3.1%)となっており、一部のスポーツを除いた市場規模は小さい[7]プロゴルファー上田桃子が、プロアスリートとして収入を得られないスポーツを「先がないスポーツ」と発言したり[8][9]武井壮が「業界のシステムとして給与体系がしっかりしている競技以外の、日本一になってもサラリーマン程度のお給料しかもらえない競技だったら、僕はその競技の協会とか業界が成熟するのを待っていても、自分の選手人生には間に合わないだろうな、と思っています」[10] と発言したりもしている。


注釈

  1. ^ 例えば、「トライアスロン」「バイアスロン」なども同系統の派生語である。

出典

  1. ^ a b Oxford Dictionaries, Lexico 「A person who is proficient in sports and other forms of physical exercise.」
  2. ^ a b Merriam-Webster "athlete" 「a person who is trained or skilled in exercises, sports, or games requiring physical strength, agility, or stamina」
  3. ^ Oxford Dictionaries Lexico "Athlete"の2番目の用法。「british」以下に書かれている。
  4. ^ 『大辞泉』[要ページ番号]
  5. ^ a b 石井克 (2016), 「アスリート」という用語に表出される 新たなスポーツ観の特徴, スポーツ史学会, doi:10.19010/jjshjb.29.0_67, https://doi.org/10.19010/jjshjb.29.0_67 2020年6月7日閲覧。 
  6. ^ The World's Highest-Paid Athletes 2021” (英語). Forbes. 2021年6月4日閲覧。
  7. ^ 久保賢志「アマチュアスポーツイベント活性化の提案」『スポーツ産業学研究』第27巻第1号、2017年、1_57–1_60、doi:10.5997/sposun.27.1_57ISSN 1343-0688 
  8. ^ 「バレーやバスケは先がない」発言 上田桃子ブログが炎上”. ライブドアニュース. 2020年6月10日閲覧。
  9. ^ 「バレーやバスケは先がない」発言 上田桃子ブログが炎上”. J-CAST ニュース (2007年10月9日). 2020年6月10日閲覧。
  10. ^ 武井壮が語った、スポーツの未来 「全てのアスリートがプロになるべき時代」”. real-sports.jp. 2020年6月10日閲覧。
  11. ^ 日本プロ野球選手会 公式ページ
  12. ^ JリーグCSC調査
  13. ^ 1999年Jリーグ選手協会 調査
  14. ^ 武井壮「プロの収入や待遇を知らずに中高大の10年間をスポーツに費やす無計画はダメ」と持論”. ハフポスト (2015年11月4日). 2020年4月25日閲覧。
  15. ^ a b c 井上雅雄『職業としてのアスリートとプロスポーツの諸問題』日本スポーツ社会学会、2009年。doi:10.5987/jjsss.17.2_33https://doi.org/10.5987/jjsss.17.2_332020年4月25日閲覧 
  16. ^ 元アスリートたちが語る「引退後の実情」 ~第3回スポーツ・セカンドキャリア・シンポジウム~ | The BORDERLESS [ボーダレス]”. The BORDERLESS [ザ・ボーダレス]. 2020年4月25日閲覧。
  17. ^ アスリートが備えるビジネススキルとは(写真=共同)”. 日本経済新聞 電子版. 2020年4月25日閲覧。
  18. ^ 元メジャーリーガーが語るセカンドキャリア論とは”. マイナビニュース (2013年12月16日). 2020年4月25日閲覧。
  19. ^ 特別読み物 サラリーマンにもなれない!? はじめての「就活」元プロスポーツ選手 現実は厳しい(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2020年4月25日閲覧。
  20. ^ オリンピアンのキャリアに関する実態調査”. 笹川スポーツ財団. 2021年7月6日閲覧。
  21. ^ プロ野球選手から公認会計士に。経験者だからわかるセカンドキャリアの難しさ”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2019年9月20日). 2020年4月25日閲覧。
  22. ^ アスリートの「第二の人生」、その厳しい現実 | 「走り」を制する者は仕事を制す”. 東洋経済オンライン (2016年6月22日). 2020年4月25日閲覧。
  23. ^ 貴乃花問題で誰も触れない横綱のリアル寿命”. 東洋経済オンライン (2018年10月4日). 2023年1月24日閲覧。
  24. ^ 杉浦大介. “大金を稼いだのに破産…米スポーツ選手の“異常”な金銭感覚 〈dot.〉”. AERA dot. (アエラドット). 2020年4月25日閲覧。
  25. ^ 引退した元プロ野球選手が人生に苦しむ理由”. ダイヤモンド・オンライン. 2020年4月25日閲覧。
  26. ^ 吉田章,佐伯年詩雄,河野一郎「<研究資料>トップアスリートのセカンドキャリア構築に関する検討(第1報)」『体育科学系紀要』第29巻、筑波大学体育科学系、2006年3月、87-95頁。 
  27. ^ http://npb.jp/npb/careersupport2018enq.pdf
  28. ^ NHKニュースweb「プロ野球選手会が再就職支援システム」
  29. ^ [1]


「アスリート」の続きの解説一覧




アスリートと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アスリート」の関連用語

アスリートのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アスリートのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアスリート (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS