うま味 うま味成分

うま味

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 18:54 UTC 版)

うま味成分

うま味物質は蛋白質や核酸に富んだ細胞原形質成分に多く含まれ、主として蛋白質の豊富な食物を探知することに適応して発達した味覚であると考えられる。

代表的なうま味成分のうち、アミノ酸の一種であるグルタミン酸は植物に、核酸の一種であるイノシン酸は動物に多く含まれることが多い。イノシン酸など、うま味を感じさせるヌクレオチドは呈味性ヌクレオチドという。

また、アミノ酸系のうま味成分と核酸系のうま味成分が食品中に混在するとうま味が増す。これを「うま味の相乗効果[9]」と呼ぶ。実際に日本料理では昆布だしと鰹だしやシイタケのだしを合わせるといった調理が行われ、中華料理でも長ねぎショウガ鶏がらスープを合わせるといった調理が行われている。

その他にも、食用のハエトリシメジに含まれるトリコロミン酸、毒キノコテングタケに含まれるイボテン酸類に含まれるコハク酸コハク酸ナトリウムにも強いうま味がある。またレモンに含まれるクエン酸リンゴに含まれるリンゴ酸などの果実酸類には、食品のうま味を高める作用がある。

だしを取る場合、硬水グルタミン酸イノシン酸のようなうま味成分の抽出を阻害するので、軟水の使用が望ましい[10][11]

うま味成分のいくつかは、主に発酵法で人工的に製造され、ナトリウムと結合させてうま味調味料として製品化されている。主成分のl-グルタミン酸ナトリウムの他に、グアニル酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムを添加している製品も存在する。

うま味成分一覧

脚注


  1. ^ a b E. Nakamura, One Hundred Years since the Discovery of the “Umami” Taste from. Seaweed Broth by Kikunae Ikeda, who Transcended his Time,Chem. Asian J. 2011, 6, 1659–1663.
  2. ^ a b c フェイクニュースと闘う味の素 ニューヨークから世界へ情報発信」『BuzzFeed』。2018年10月2日閲覧。
  3. ^ 池田菊苗「新調味料に就て」東京化学誌、第30帙第8冊、1909、823ページ:「今或人の發議に從つて說明の便利の爲めに此の味を「うま」味と名づけて置きます」(原文では「「うま」味」に傍点)
  4. ^ 味の素 うま味ペディア うま味アカデミー 講座1 「うま味」と「旨味」は違う
  5. ^ 「イノシン酸の分離法に就いて」(東京化学会誌34 1913)
  6. ^ 「核酸関連化合物の呈味作用に関する研究」(農化34 1960)
  7. ^ Bernd Lindemann, A taste for umami, Nature Neuroscience 3, 2000, 99-100.
  8. ^ Nelson G, Chandrashekar J, Hoon MA, et al (2002). “An amino-acid taste receptor”. Nature 416 (6877): 199–202. doi:10.1038/nature726. PMID 11894099. 
  9. ^ 『ニュートン別冊』ニュートンプレス、2020年10月5日、106頁。ISBN 978-4-315-52275-4 
  10. ^ 硬水・軟水で料理の味が変わる
  11. ^ 軟水、硬水はどのように使い分けされているのでしょうか。


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