えん‐ちょく【鉛直】
鉛直
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 09:30 UTC 版)
![]() | この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2011年11月) |

鉛直(えんちょく、英語:vertical)とは、重り(錘)を糸で吊り下げたときの糸が示す方向、すなわち、重力の方向。水平面に対して垂直の方向。 鉛直線(えんちょくせん、vertical line、plumb line)とはその方向の直線のこと。
鉛直線は、重力の等ポテンシャル面(ジオイド)の法線となる。
鉛直線は、水準器を使って水平面を得ることにより、間接的に求めることもできる。

- 平均海水面
- 地球楕円体
- その地点の鉛直線
- 地表面
- ジオイド
地球での鉛直線の性質
地球の重力ポテンシャルを完全な球対称(球体)とした場合、地表上のあらゆる鉛直線は地球の中心の一点で交わる。また重力の方向と一致することから、物体を自由落下させた時、物体が辿る経路は鉛直線に一致する。
より正確には地球の重力の等ポテンシャル面は回転楕円体の形なので、地表の鉛直方向は、極および赤道を除き、地球中心を指していない。さらに正確には地球の重力ポテンシャルは複雑で、地表付近の重力の等ポテンシャル面(ジオイド)は複雑に歪んでおり、回転楕円体面の法線方向と比べると、実際の地表の鉛直方向は傾斜していることになる。これは鉛直線偏差と呼ばれる。
なお回転楕円体の幾何形状に基づく経緯度を測地経緯度(地理経緯度)と呼ぶ。これに対して、地表の鉛直方向に基づく天頂方向を基準にして、天文学的に定められる経緯度を天文経緯度と呼ぶ。両者の値には鉛直線偏差が現れる。
また高度が上昇するに従って、鉛直線は南北方向にごくわずかに湾曲している(高度1km上昇するごとに0.2秒程度)。これは重力が赤道に近づくにつれて弱くなるからである。また、わずかながら周囲の地形によっての影響を受ける。
関連項目
鉛直
「鉛直」の例文・使い方・用例・文例
- 垂(直)線, 鉛直線.
- 同じ圧力を発生するために必要とされる液体の柱の鉛直高さが測定される、液体のある一定の点における圧力
- 大気圏内での大規模運動による熱や他の性質の鉛直な動き
- 鉛直線の示す方向と向いていること
- 2点を結ぶ線分を鉛直線上にまっすぐ写したときの長さ
- 鉛直線を含んで,水平面と直角をなす平面
- 船体で,型深さという鉛直距離
- 天底という,地球上の観測点での鉛直線が下方で天球と交わる点
- 日の出や日没の時に太陽から鉛直上方に出る光の筋
- 端に鉛の玉をつけた,鉛直方向を知るために使う糸
- 鉛直線の方向が,地球を均質楕円体とみた時の法線の方向とずれていること
- 鉛直線の方向と,地球を均質楕円体とみた時の法線とがなす角度
鉛直と同じ種類の言葉
品詞の分類
- >> 「鉛直」を含む用語の索引
- 鉛直のページへのリンク