送電損失
そうでん‐そんしつ【送電損失】
読み方:そうでんそんしつ
⇒送電ロス
送電損失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 10:23 UTC 版)
交流送電の長所は、変圧器によって容易に電圧を変えられることである。電力は電圧と電流の積によってあらわされる(電圧を V、電流を I、電力を P として、P=VI)。高い電圧を送電線で使用することにより、同じ電力を送るときに電流を相対的に低い値で抑えることができる。金属電線には必ず電気抵抗があるので、送電時に一部の電力はジュール熱として失われる。変圧器で高い電圧に変えてから送電することで、電流を相対的に減らし、この送電損失を減らすことができる(送電線の電気抵抗Rとして、送電損失 P'=R・I2、即ち電圧を10倍にすれば電流 I=P/V は10分の1、損失は100分の1)。現在は100万ボルト級の電圧が使用されている。 なお、20世紀後半からのパワーエレクトロニクスの発達に伴い、直流から交流への変換も実用的となったことで、長距離送電の分野では絶縁容量やリアクタンス、表皮効果などで有利な、高電圧による直流送電が再び行われるようになっている。
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