和集合の公理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/31 05:25 UTC 版)
和集合の公理(わしゅうごうのこうり、axiom of union)は、ZF公理系を構成する公理の一つで、任意の集合に対し、その要素の要素全体からなる集合の存在を主張するものである。対の公理と合わせることで、任意の二つの集合に対し、それらの要素のみからなる集合(合併集合)の存在が導ける。
定義
任意の集合xに対しある集合yが存在して、任意の要素zに対し、zがyに含まれるならば、そのときに限りzを含むようなxの要素wが存在する。
すなわち形式的には、
と書ける。
性質
公理の意味としては、任意に与えられた集合族の和が再び集合になるということである。 公理により存在を保証される集合yは、外延性より一意に定まり、と記される。特にxが二つの元のみからなる集合の場合、すなわちx={a,b}の場合は、と書く代わりに、と書く。
参考文献
- ケネス・キューネン『集合論 独立性証明への案内』藤田博司訳、日本評論社、2008年、ISBN 978-4-535-78382-9
- Jech, Thomas, 2003. Set Theory: The Third Millennium Edition, Revised and Expanded. Springer. ISBN 3-540-44085-2.
関連項目
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