原子論者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:58 UTC 版)
デモクリトスの説については解釈が大きく分かれる。エピクロスとルクレティウスは、物体から流出する「エイドラ eidola」の効果で視覚を説明した。「エイドラ」は物質の表層から剥がれ落ちた原子の薄い層で、これが「収縮」して眼に流入する。つまり、「エイドラ」はいわば対象物の複製で、物体の形状や配置などが含まれている。それゆえ、「エイドラ」を取り込むと、対象が包括的に、かつ瞬時に認識されることになる。 遠方が不明瞭に見える現象、例えば「四角形の塔が、遠方より見た時に丸く見える」といったような現象は、「エイドラ」が伝搬の途中で崩れることで説明された。この問題は、ユークリッドやそれ以降の中世の視覚論でも、度々取り上げられた。 原子論者の視覚論に対する典型的な批判としては、山のように巨大なものの視覚の問題がある。そのように巨大なものの「エイドラ」が眼に入る程に収縮することが信じ難い上に、多数の観察者の眼に、各々都合よく縮小されて届くことへの違和感もあった。 また、エイドラが中途で拾い上げる空気の原子の分量で、対象までの遠近が分かるとされた。
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