自然思想と認識論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 14:18 UTC 版)
エピクロスの自然思想は、原子論者であったデモクリトスに負っている。つまりそれ以上分割できない粒子である原子と空虚から、世界が成り立つとする。 そうした存在を把握する際に用いられるのが感覚であり、エピクロスはこれは信頼できるものだとみなし、認識に誤りが生じるのはこの感覚経験を評価する際に行われる思考過程によるものだとした。 こうした彼の認識論は、後述する彼の倫理学説の理論的基盤となっている。たとえば彼は「死について恐れる必要はない」と述べているが、その理由として、死によって人間は感覚を失うのだから、恐怖を感じることすらなくなるのであり、それゆえ恐れる必要はないといった主張を行っている。このように「平静な心(ataraxiaアタラクシア)」を追求することを是とした彼の倫理学説の淵源は、彼の自然思想にあると言える。
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