z/Virtual System Environmentとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > z/Virtual System Environmentの意味・解説 

z/VSE

(z/Virtual System Environment から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/21 23:15 UTC 版)

z/VSE
開発元 IBM
最新版
V6.2 / 2017年リリース
プラットフォーム z/ArchitectureSystem z等)
種別 オペレーティングシステム
ライセンス プロプライエタリ (IPLA)
公式サイト z/VSE
テンプレートを表示

z/VSE(ゼットブイエスイー、英語: z/Virtual System Environment)は、IBMが2005年から発売したメインフレーム用のオペレーティングシステム (OS) の1つ。略称はDOSVSEなど。1964年に誕生したSystem/360用のDOS/360や、その後継のDOS/VS、DOS/VSE、VSE/ESAなどの更に後継だが、2022年8月に最終バージョンのV6.2の2023年9月のサポート終了が発表された[1][2]

名称

z/VSEは、z/Architectureに対応したVSEである。起源であるDOS/360からの一連の製品を含め、単に「DOS」または「VSE」と呼ばれる事が多い。初期の名称「DOS」はディスクオペレーティングシステムを意味し、1980年代以降のPC DOSMS-DOSとは無関係である。

概要

IBMメインフレームの中規模システム用OSであり、信頼性可用性保守性 (RAS) が高いとされ、製造・金融・流通・運輸などの中規模システムなどで使用されている。

z/ArchitectureをサポートするIBMメインフレーム(eServer zSeries、IBM System zなど)で稼動する。V4まではz/VSE自体の64ビットサポートは限定的であり、実アドレッシングは64ビットで、アプリケーションから見た仮想アドレッシングは31ビットアドレッシングだが、V5.1 で64ビット仮想アドレッシングがサポートされた。z/VSEは、System zの物理区画(PPAR)や論理区画(LPAR)の他、z/VMのゲストOSとしても稼動できる。

同じIBMメインフレーム専用OSでも、z/OSz/VMとは別物である。しかし起源であるDOS/360は、OS/360(z/OSの起源)と同時期に開発され、VSE/ESAではMVSとの親和性も向上されたため、共通点は多い。z/VSEはz/OSの弟分ともいえる。z/OSと比較して全体がコンパクトなため、少ないリソース(プロセッサメモリ、ディスク装置、更には設定すべき項目、管理者)で信頼性の高いトランザクション処理システムやデータベースシステムを構築する事が可能である。なお「IBMがVSEを中止してz/OSに一本化するのではないか」という観測は昔からあるが、実際は継続されている。ただしハードウェアやミドルウェアなどの移植は、z/OSより範囲は少なく、時期も遅い場合が多い。このため主流とは言いがたい。

歴史

  • 1966年 DOS/360System/360用の中規模用OSとして登場)
  • 1972年 DOS/VS(System/370の仮想記憶に対応)
  • 1979年 DOS/VSE(IBM 4300シリーズで登場、プログラムの稼働できる区画は最大12区画)
  • 1980年代 VSE/SPに改名 (1987年の VSE/SP V3で基本部分が完成されたとされる)
  • 1991年 VSE/ESA(ESA/370に対応、31ビットアドレッシング対応、MVSとの親和性、動的区画対応)
  • 2005年 z/VSE(z/Architectureに対応、最大稼働VSEタスクは255)
  • 2008年8月 z/VSE V4.2発表・出荷 (最大稼働VSEタスクは512)
  • 2010年10月 z/VSE V4.3発表(仮想ストレージの制約緩和など)[3]
  • 2011年11月 z/VSE V5.1発表(64ビット仮想アドレッシング・サポートなど)[4]
  • 2015年10月 z/VSE V6.1発表 [5]
  • 2017年4月 z/VSE V6.2発表 [6]

構成

z/VSEの主なコンポーネントには以下がある。

  • VSE/POWER(ジョブ制御システム)
  • VTAM(通信)
  • TCP/IP(通信)
  • ICCF(タイムシェアリング)

z/VSEをサポートする主なミドルウェアには以下がある。

  • CICS Transaction Server for VSE
  • DB2 for VSE
  • DL/I for VSE

なお以下のミドルウェアはVSE上では稼動しないため、System zの別の論理区画 (LPAR) などでLinux上で稼動させ連携する。

比較

z/OSとの共通点

  • System/360以来の互換性を持ち、z/ArchitectureをサポートするIBMメインフレーム上で稼動する
  • ネイティブの文字コードはEBCDIC
  • SNAの標準サポート
  • COBOLPL/I、C言語0などのプログラミング言語をサポート

z/OSとの相違点

  • OS自体がコンパクト(サブシステム数、管理すべき項目、必要なハードウェア資源など)
  • 多重仮想空間は限定的(静的区画、動的区画)
  • V5.1までは64ビット仮想アドレッシングをサポートしなかった
  • OSコマンドやジョブ制御言語(VSEではJCSと呼ぶ)の機能・構文が異なる

参照

  1. ^ 5686-VS6 - IBM Software Support Lifecycle
  2. ^ Software withdrawal and support discontinuance: Select IBM zSystems platform programs - Some replacements available
  3. ^ IBM z/VSE V4.3の発表 - 日本IBM
  4. ^ IBM z/VSE V5.1 の発表 - 日本IBM
  5. ^ IBM z/VSE V6.1 extends online capabilities, connectivity, and security
  6. ^ プレビュー: IBM z/VSE V6.2

関連項目

外部リンク


「z/Virtual System Environment」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「z/Virtual System Environment」の関連用語

1
6% |||||

z/Virtual System Environmentのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



z/Virtual System Environmentのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのz/VSE (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2026 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2026 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2026 GRAS Group, Inc.RSS