パイプライン
【英】: pipeline
油・ガスを移送するために地上(または地下)もしくは海底面(または海底面下)に設置される、パイプを連続的に接合したシステム。 パイプラインのうち、坑井からの生産物を原油・ガス分離・処理基地まで運ぶものを特にフロー・ラインと呼ぶ。また多数の坑井からの何本ものフロー・ラインが処理基地に集まる全体をギャザリング・システムいう。フロー・ラインのなかの流れは液体と気体との二相混合流となり、また水分も混入していて腐食も進みやすく、またガス・ハイドレートが生成する恐れもあるので、メタノールなどの氷点降下剤を注入する。原油・ガス処理装置で分離された原油、ガス、コンデンセートはそれぞれの貯蔵所、積出し施設、製油所あるいはガス消費地まで、それぞれ原油パイプライン、天然ガスパイプラインとして別々に敷設される。その太さ(口径)は輸送流量に応じて決定され、また輸送距離は目的によるが、長いものは数百kmにおよび、ガスパイプラインでは数千 km に達するものもある。石油・ガスを問わず、上流側での集油・集ガスのための支線や、下流側での配送(distribution)のための分岐支線に対して、輸送幹線をなすパイプラインをトランク・ラインという。一定口径のパイプラインにおいて、原油などの液体の流量は圧力勾配{あつりょくこうばい}(P1-P2) / Lに比例し、ガスの場合それは(P21-P22) / L に比例する。したがって、特に長距離のガスパイプラインの場合には高圧にするほど大量輸送でき、経済的に有利である。一般に P1 としては 70 気圧(1,000psi)程度で計画される。特に長距離のパイプラインの場合はほぼ 200 ~ 300km ごとに、原油の場合はポンプ・ステーション、ガスの場合はコンプレッサー・ステーションを設けて昇圧する。パイプラインは、外力、温度変化、風雨、火災などの影響を減らすために、原則として地下に埋設する。車の荷重などによる破壊を避けるために土かぶりはガスパイプラインで 60cm 以上、石油パイプラインで 1m 以上とする。パイプとしてはライン・パイプという規格の鋼管を使用し、順次溶接接続し、レントゲン検査をし、外面を塗装あるいはアスファルト・ジュートなどを巻いて防食し、あらかじめ掘った溝に降入し、埋設する。海洋におけるパイプラインの敷設にはパイプ・レイ・バージを使用し、バージ上でパイプを溶接接続しながら一端から海中に投入しつつバージを前に進ませて海底に敷設する。加重と防食とのため、パイプの外側はコンクリート層で被覆する。一般には海底に埋設する。このためにプラフという、船上から操作できる溝掘器を使用する。 |

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