VSOP82
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 03:58 UTC 版)
ピエール・ブレタニョン(英語版)は1982年、VSOP82として知られるこの理論の最初期版を完成させた。 しかし、長周期の変動により、この理論は100万年ほど(もっと高い精度ではたった1000年)先までしか適用できないと考えられている。 どんな理論でも、主な問題は摂動の大きさが惑星の質量の関数なことである(他の因子にも依存するが、質量がボトルネックである)。惑星の質量は、各惑星の月の周期や、惑星近傍を通過する宇宙機の重力による軌道変化を観測することで求められる。観測が増えるほど、精度は増していく。短周期(2、3年以下)の摂動は非常に簡単かつ精度よく求めることができる。しかし、精度のよい観測が行なわれてきた期間はまだまだ短いため、長周期(数年から数世紀)の摂動についてはほぼ定数と見分けがつかない程度のデータしかなく、これを予測することはより難しい。しかし、千年紀単位で最も重要になってくるのはこれらの項である。 悪名高い例は、 the great Venus term [訳語疑問点]と the Jupiter-Saturn great inequality [訳語疑問点]である。これらの惑星の公転周期をみていると、地球の公転周期の8倍が金星の公転周期の13倍とほぼ等しく、木星の公転周期の5倍がおよそ土星の公転周期の2倍であることに気付くかもしれない。 VSOP82の実用上の問題は、長い級数が軌道要素についてのみ与えられているため、そこまでの精度が必要ない場合に、どこで級数を打ち切ってよいのかが分かりづらいことだった。VSOP87では、惑星の位置についての級数も与えられているため、この問題は解決されている。
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