V型エンジンの振動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 04:29 UTC 版)
「エンジンの振動」の記事における「V型エンジンの振動」の解説
V型2気筒エンジンではバンク角を90°とすることで一次振動が低減される。90°以外のバンク角も用いられるが、本田技研工業のように振動を低減させるためにクランクにウェブをもうけクランクピンに位相を付ける位相クランクを用いている例がある。 V型6気筒エンジンの場合、一次と二次の振動はバランスするがエンジン全体では偶力のアンバランスが発生するために、直列3気筒と同様エンジン全体にみそすり運動が発生する。バンク角が60°ではその回転が真円となるが、他のバンク角では楕円となる。この偶力は60°バンクの場合、クランクシャフトの両端にバランスウェイトを付けることで解消される。 V型8気筒において多くの乗用車用V8エンジンで用いられるのはクロスプレーンと呼ばれるクランクシャフトである。これはクランクシャフト末端から見ると十字に見えることからこう呼ばれる。クロスプレーンでは一次、二次の振動も釣り合うがV6エンジンと同様に偶力が発生するために、これを打ち消すバランスウェイトがクランクシャフト両端もしくは両端とその内側にも追加される。 一方レース用エンジンや一部の市販スポーツカー用エンジンでは、フラットプレーンと呼ばれる直4エンジンと同じクランクシャフトが用いられる。これはクロスプレーンで必要な重いバランスウェイトが必要ないためにレスポンス等に優れるが、直4エンジンと同じ二次振動の問題がある。
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