V型8気筒エンジンのクランクシャフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 01:08 UTC 版)
「V型8気筒」の記事における「V型8気筒エンジンのクランクシャフト」の解説
クランクシャフトの形式によりV型8気筒エンジンは2種類に分けられる。 クロスプレーン 通常の乗用車に用いられる。クランクピンが90度で交差しているためにクランクシャフト末端から見ると十字に見える。クロスプレーンはバンク角(「V」の間の角度)90度では振動バランスは良いが、非常に重いカウンターウェイトが必要になる。そのために高回転化、レスポンスの点では不利となる。クロスプレーンのV型8気筒は全体でみると燃焼間隔は等間隔であるが、片側のバンクで見ると等間隔とならないため、排気干渉を防ぐには2つのバンク間の排気管を繋げる必要が生じる。このことはレーシングカーにとっては問題となる。 フラットプレーン 180度のクランクピンを持つ。フラットプレーンでは二次振動はバランスしないためにバランサーシャフトなしでは振動をともなう。一方で大きなカウンターウェイトを必要としないため重量が軽く、クランクシャフトの慣性も小さいため、よりすみやかな加速と高回転が可能となる。バンク角が何度であっても振動バランスが崩れないため、90度以外のバンク角では必然的にフラットプレーンが採用される。 クロスプレーンの製造は容易ではなく、極初期のV型8気筒はフラットプレーンのみであった。1915年、クロスプレーンは全米自動車工業会で提案されたが、生産に至るまでは8年の歳月を要した。共に高級車メーカーであるキャデラックとピアレス(Peerless )の両社はクロスプレーンのV型8気筒に関する特許をほぼ同時に出願し、両社はその特許を共有することに同意した。1923年にキャデラックは「Compensated Crankshaft」V型8気筒エンジンを導入し、1924年11月にピアレスから「Equipoised Eight」が現れた。
※この「V型8気筒エンジンのクランクシャフト」の解説は、「V型8気筒」の解説の一部です。
「V型8気筒エンジンのクランクシャフト」を含む「V型8気筒」の記事については、「V型8気筒」の概要を参照ください。
- V型8気筒エンジンのクランクシャフトのページへのリンク