V型6気筒エンジンとの相違
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:31 UTC 版)
「直列6気筒」の記事における「V型6気筒エンジンとの相違」の解説
現在、直列6気筒の他にV型6気筒・水平対向6気筒・狭角V型6気筒と言う4種類の6気筒エンジンが市販車用エンジンとして存在するが、水平対向と狭角V型はごく一部のメーカーだけに限られ、6気筒エンジンのレイアウトはほぼ直列かV型となっている。V型6気筒に対する直列6気筒の有利な点と不利な点には以下のことが挙げられる。 有利な点1次・2次振動や偶力振動が発生しないため、振動対策の仕掛け(カウンターウエイトやバランスシャフト)が不要。 給排気や熱処理のレイアウトが容易なため、ターボ化等の性能向上策がとりやすい。 •不利な点 シャフト類が長くメインベアリングも増えるため、エンジンの剛性確保や軽量化、および摩擦の面で不利。 全長が長くクラッシャブルゾーンの確保が難しい上、横置きが難しい事やFF車に搭載しにくいなど、レイアウト面での足枷が多い。 以上の理由から、近年の普通乗用車ではV型の方が直列より利点が優ると言う事もあり、直列6気筒エンジンは6気筒エンジンの主流の座から転落している。ただし、これらの動きはノッキング抑制のために1気筒当たりの排気量に足枷が課せられるガソリンエンジンの場合だけで、足枷のないディーゼルエンジンでは小型化優先なら直列4気筒の方が、出力優先なら直6ターボの方が都合が良い事から直列6気筒は主流である。また、ガソリンエンジンでもターボ化が容易等の利点が見直され、直列6気筒ターボエンジンでV型8気筒エンジンの代替を企図するメーカーも登場しており、衝突安全性も側面衝突に関しては大差ないなど欠点についても技術革新によって改善しつつあり、ダウンサイジング用やモジュラー化用のエンジンの候補として直6が見直されつつある。
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