U2 snRNA認識エレメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 01:04 UTC 版)
「U2 snRNA」の記事における「U2 snRNA認識エレメント」の解説
出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、U2 snRNAは18個のポリペプチドと結合しており、そのうち7つは全てのSmクラスのsnRNPに共通の構造タンパク質である。これらの非特異的構造タンパク質は、RNA内に位置するSm結合部位と呼ばれる高度に保存された認識配列(AUnG、n=4–6) を介してSmクラスのsnRNAと結合する。他の2つのタンパク質A'とB''はU2特異的であり、snRNPの組み立てのためにU2 snRNAに特有の構造エレメント(具体的には3'側の2つのステムループ)を必要とする。3つのサブユニットからなるSF3a複合体、6つのサブユニットからなるSF3b複合体もU2 snRNAと結合する。 U2 snRNAは、一次転写産物の3'スプライス部位の18–40ヌクレオチド上流に位置する、分枝点配列(branch point sequence、BPS)として知られる7–12ヌクレオチドの配列を介して、イントロンの認識に関与している。酵母では、BPSのコンセンサス配列の長さは7ヌクレオチドであり、U2 snRNA側の相補的認識配列は6ヌクレオチドである。これら2つの配列が二重らせんを形成することで、保存されたBPSの5位のアデノシン残基はバルジを形成する。バルジを形成したアデノシン残基はC3'-endo型の立体配座をとり、スプライシング因子Cwc25、Yju2(英語版)、Isy1の助けのもと、5'スプライス部位のリン原子への求核攻撃(in-line攻撃)のために2'-OHを整列させる。求核攻撃は2段階のエステル交換反応の1段階目を開始し、一般的でない2'-5'-3'連結型のラリアット中間体としてイントロンを切り出す。2段階目のエステル交換反応は2つの隣接するエクソンのライゲーションを伴うものである。
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