トキソプラズマの予防治療
【概要】 トキソプラズマ抗体が陽性のHIV感染者のCD4細胞数が100/μL以下になったら、トキソプラズマ脳症の予防を開始することが勧められている。ST合剤内服はニューモシスチス肺炎の予防にもなる。
《参照》 ニューモシスチス肺炎

トキソプラズマ脳症の治療
【治療】 脳の悪性リンパ腫と区別がつかなかったら、まずトキソプラズマと考えて治療を開始する。リンパ腫より経過がより急速で、治療による反応が得られる可能性があるからである。ピリメタミン(初回100mg、2回目以降は50~75mgを1日1回経口) + 葉酸(10~30mgを1日1回) + スルファダイアジン(1~1.5gを1日4回経口)あるいはクリンダマイシン(600mg経口あるいは静注を1日4回)。以上を3~6週間行う。最初の6週以後はピリメタミンを25mgに減らしてもよい。ピリメタミンとスルファダイアジンの合剤がファンシダールである。免疫能の回復まで治療は続ける。サルファ剤にアレルギーを示す患者には、クリンダマイシンを1200~1800mgを6週間続ける。アメリカではクラリスロマイシン、アジスロマイシン、アトバコン、ダプソンなどの組み合わせが試されている。ST合剤には予防効果がある。
【副作用】ファンシダールは副作用が多い。骨髄抑制、皮疹、発熱、サルファ剤結晶による腎障害などで、時には致死的である。

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