Tiran APC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 23:10 UTC 版)
「チラン (戦車)」の記事における「Tiran APC」の解説
レバノン内戦の際、南レバノン軍に供与されたTiran-4/5の一部は、第二次世界大戦中にイギリスやカナダが余剰化した戦車や自走砲の車体を流用して設計したカンガルーAPCと同様に砲塔を撤去してそこに兵員用の座席を背中合わせに設け、砲塔のあった開口部周りに装甲を貼り付けた即席の装甲兵員輸送車に改修されて、上述のBTR-152やM3ハーフトラックなどと共に運用されていた。ただし、このTiran APCは、砲塔が存在した部分の開口部が装甲でふさがれていないため、上方からの砲弾の破片などに対する防御力は皆無に等しい。さらに、兵員の乗降口は車体上部の砲塔搭載部分になるため、乗降時に歩兵が身を乗り出す格好にならざるを得ず、敵の銃火に身をさらす危険が大きくなる。 上記の問題に対応するため、より後期には、砲塔を撤去せず主砲のみを取り外し、主砲のあった場所、および砲塔両側面に防弾ガラス付き視察窓と機関銃マウントを装備した改良型も製作され、使用されている。 これらの装甲兵員輸送車タイプは、Tiran APC、あるいはAPC-55などの名称で呼ばれる事があるが、現地改修車両のため、正式な名称は不明である(そもそも、正式名称が存在するのかも含め)。 Tiran APCの正面。装甲は強化されていない Tiran APCの右側面。砲塔のあった部分には、装甲防盾を立てている Tiran APCの後部。アチザリットのような後部昇降口が無い Tiran APCの兵員区画
※この「Tiran APC」の解説は、「チラン (戦車)」の解説の一部です。
「Tiran APC」を含む「チラン (戦車)」の記事については、「チラン (戦車)」の概要を参照ください。
- Tiran APCのページへのリンク