Tiran-6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 23:10 UTC 版)
1973年10月6日のエジプト軍の奇襲によって戦端の火蓋が切られた第四次中東戦争にて、イスラエル軍は主にゴラン高原における戦闘でシリア軍から100両以上を鹵獲したチェコスロバキア製のT-62をTiran-3として制式採用し、イスラエル軍の規格に合わせるための改修を行った車両をTiran-6として運用することにした。 Tiran-6は、Tiran-4/5と同様に砲塔の右側面や後部に大型の雑具箱を追加すると共に砲塔左側面にも小型の雑具箱が搭載されているほか、車体後部にジェリカン5個を積み込むための箱を追加している。武装に関しては、同軸機銃の7.62mm PKT機関銃と砲塔上の12.7mm DShK重機関銃を7.62mm M1919重機関銃に換装すると共に主砲上部に12.7mm M2重機関銃を搭載したが、主砲はオリジナルの115mm滑腔砲のままであり、Tiran-4/5のようにL7 105mmライフル砲に換装するなどの凝った改装は施されていない。 後にはブレーザー ERAが砲塔の前面と側面、車体前面に装着され、この時にレーザー測距儀や砲手・車長・操縦士用の赤外線暗視装置の追加、エンジン、トランスミッション、主砲安定装置、そして、火器管制装置の換装が行われたとも言われている。 戦歴に関しては、イスラエルとの和平を目指すサダト大統領の方針により第三次中東戦争後に行われたような小競り合いは発生せず、1979年のエジプト・イスラエル平和条約締結によりイスラエルがアラブ諸国との全面戦争を行う可能性は著しく低下したが、レバノン内戦に参加したか否かは不明である。保有総数が少なかったためアチザリットなどに改修されることも無く、博物館に展示されている車両以外はすべて外国に売却・供与されたと考えられる。 側面から見たTiran-6。主砲は、オリジナルの115mm砲のままである Tiran-6の後部。上のTiran-4後部写真との類似性に注目
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