TL1000S
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 14:25 UTC 版)
1997年に発売された。スズキ初のリッターツインマシンとして随所に革新的な技術が投入された。 スポーティなイメージのハーフカウルに独特のフレームワークを持つアルミトラスフレームを採用する。 エンジンは995cc水冷4ストローク90度V型2気筒エンジンが搭載され、高回転域で確実なバルブ開閉を行うためのセミカムギアトレーン機構・吸入空気を圧縮して、高速域で過給器的な効果を果すラムエア機構が取り入れられた結果、輸出仕様125psのハイパワーを発揮する。 燃料供給は旧来のキャブレターにかわり低回転時にはエンジン回転数と吸気圧・高回転高負荷時にはエンジン回転数とスロットル開度で空燃比を算出する2ステージ制御燃料噴射装置が採用され、リアサスペンションにはバネとダンパー部がそれぞれ独立したロータリーダンパーが採用された。 初期型はクランクのフライホイールが軽く、燃料噴射のセッティングが発展途上のものであったためかエンスト多発・低速域での扱いづらさなどが目立ったが、後期型ではフライホイールが重くなり燃料噴射のセッティング・カムセッティングなどが最適化された。 発売後、加速時にハンドルが不安定になることが判明。リコールが行われ、ステアリングダンパーを取り付ける対策が講じられた。当時はステアリングダンパーが純正部品として用意されることは珍しく、トップブリッジ上部に取り付けられたダンパーは、異観を放つ存在となった。
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