THE TUDORS〜背徳の王冠〜とは? わかりやすく解説

THE TUDORS〜背徳の王冠〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/26 15:05 UTC 版)

THE TUDORS〜背徳の王冠〜』(ザ・チューダーズ はいとくのおうかん、原題:The Tudors)は、2007年から2010年まで放送されたテレビドラマ・シリーズ。

概要

16世紀イングランド王国を舞台に、国王ヘンリー8世の波乱に満ちた後半生を描いたドラマ。アメリカ(ショウタイム)・カナダ(CBC Television)・アイルランド(TV3)・イギリス(BBC Two)合作。

エミー賞は2007年に衣装賞とメインテーマ音楽賞、2008年に衣装賞、2009年に撮影賞、2010年に美術賞と衣装賞を受賞した。ゴールデンリール賞は2010年に音響編集賞を受賞した。

日本では、2009年11月からAXNミステリーおよびIMAGICA BSで放送された。

あらすじ

シーズン1

30代のヘンリー8世は男子の世継ぎを欲していたが、年上の王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの間に娘メアリー王女しかもうけることが出来ず、いらだつ。王の信頼を受け、イングランドの政治を取り仕切るトマス・ウルジーフランスとの和平を図り、金襴の陣で両王は面会して条約を結ぶ。王は多くの愛人を持ち、アン・ブーリンにも心を寄せるが、アンは王妃となることを要求する。キャサリン王妃がかつてヘンリーの兄アーサー王子と結婚していたことを利用して、ヘンリーは婚姻の無効ローマ教皇から得るようウルジーに命じる。だがウルジーは失敗し、すべての役職から解かれて逮捕され、財産を没収されて自殺する。

シーズン2

ヘンリー8世はイングランドの教会をローマ・カトリックから分離させ、新たに任命したカンタベリー大司教トマス・クランマーがキャサリン王妃との婚姻の無効を許可する。だが、王が信頼していたトマス・モアらは抗議して職を辞する。王はアン・ブーリンと結婚し、エリザベス王女を儲けるが、男子は授からない。平民の出のトマス・クロムウェルが政治を取り仕切るようになり、貴族と衝突しながらも宗教改革を進める。男子を産まないアンに愛想を尽かし、王はジェーン・シーモアに心を動かす。アン王妃は姦通の罪を着せられて処刑される。

シーズン3

ヘンリー8世はジェーン・シーモアと結婚し、待望の男子エドワード王子をもうけるが、王妃は産褥の床で死ぬ。宗教改革に抗議する反乱が勃発し、フランススペインの両カトリック大国からの脅威も高まる。トマス・クロムウェルプロテスタント国との連合のため、ドイツからアン・オブ・クレーブスを4人目の王妃として迎える。だが王はアンを気に入らず、すぐさま離婚し、結婚を整えたクロムウェルを処刑する。王は間もなく若く美しいキャサリン・ハワードと恋に落ちる。

シーズン4

ヘンリー8世はキャサリン・ハワードと結婚するが、キャサリンは姦通を犯し処刑される。老いの兆候を見せるヘンリーは、教養豊かなプロテスタントで富裕な未亡人のキャサリン・パーと再婚する。スペインと共同して自らフランスを攻めるが、戦争は実り少ないものに終わる。王妃に異端審問の手が迫るが、王は退け、幼少の王子エドワード王子をその叔父のエドワード・シーモアらに託す。旧友のチャールズ・ブランドンに先立たれ、王はこの世を去る。スペインの血を引くカトリック教徒であるメアリー王女は宗教改革に復讐の炎を燃やし、母親アン・ブーリンを処刑されたエリザベス王女は生涯結婚しないことを誓う。

キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え 登場シーズン
イングランド王ヘンリー8世 ジョナサン・リース=マイヤーズ 綱島郷太郎 1–4
王妃
キャサリン・オブ・アラゴン マリア・ドイル・ケネディ英語版 坪井木の実 1–2, 4
アン・ブーリン ナタリー・ドーマー 鍋井まき子
松岡依都美(シーズン4)
1–2, 4
ジェーン・シーモア アニタ・ブリエム(シーズン2)
アナベル・ウォーリス(シーズン3-4)
庄司宇芽香 2-4
アン・オブ・クレーブス ジョス・ストーン 松岡依都美 3–4
キャサリン・ハワード タムジン・マーチャント英語版 清水理沙 3–4
キャサリン・パー ジョエリー・リチャードソン 安原麗子 4
王の子供たち
メアリー王女 キャサリン・オブ・アラゴンの娘 Bláthnaid McKeown(シーズン1)
サラ・ボルジャー(シーズン2-4)
羽飼まり 1–4
エリザベス王女 アン・ブーリンの娘 ケイト・ダガン(シーズン2)
クレア・マッコーリー(シーズン3)
Laoise Murray(シーズン4)
2-4
エドワード王子 ジェーン・シーモアの息子 Eoin Murtagh
Jake Hathaway
4
ヘンリー・フィッツロイ エリザベス・ブラントの庶子 Zak Jenciragic 1
王宮の人物
サフォーク公チャールズ・ブランドン ヘンリー・カヴィル 伊藤健太郎 1–4
エセックス伯トマス・クロムウェル ジェームズ・フレイン 小柳基 1–3
サー・トマス・モア ジェレミー・ノーサム 広瀬彰勇 1–2
サー・アンソニー・ナイバート英語版 カラム・ブルー英語版 松尾大亮 1
サー・ウィリアム・コンプトン英語版 クリス・ホールデン=リード英語版 喜山茂雄 1
バッキンガム公エドワード・スタッフォード スティーヴン・ウォディントン英語版 1
ノーフォーク公トマス・ハワード ヘンリー・ツェニー 伊藤和晃 1
ウィルトシャー伯トマス・ブーリン ニック・ダニング英語版 巻島康一 1–2
トマス・ワイアット ジェームズ・キング英語版 遠藤大智 1–2
メアリー・ブーリン パーディタ・ウィークス 1–2
ロッチフォード子爵ジョージ・ブーリン ポードリック・ディレイニー英語版 1–2
神聖ローマ帝国大使ユースタス・チャプイス(ウスタシュ・シャピュイ英語版 アンソニー・ブロフィ英語版 1–4
トマス・タリス ジョー・ヴァン・モイランド英語版 1
エリザベス・ブラント ルタ・ゲドミンタス英語版 1
ロッチフォード子爵夫人ジェーン・ブーリン ジョアン・キング英語版 2–4
マーガレット・"マッジ"・シェルトン英語版 ローラ・ジェーン・ラフリン 2
マーク・スミートン英語版 デヴィッド・アルペイ英語版 2
ウィリアム・ブレアトン英語版 ジェームズ・ギルバート 2
サー・ヘンリー・ノリス英語版 スティーブン・ホーガン英語版 2
サー・リチャード・リッチ英語版 ロッド・ハレット 2–4
ハートフォード伯エドワード・シーモア マックス・ブラウン英語版 白石充 2–4
ハートフォード伯爵夫人アン・シーモア英語版 エマ・ハミルトン 3–4
トマス・シーモア アンドリュー・マクネア英語版 3–4
サー・フランシス・ブライアン英語版 アラン・ヴァン・スプラング 山口太郎 3
ハンス・ホルバイン ピーター・ゲイナー 3–4
サウサンプトン伯トマス・リズリー英語版 フランク・マカスカー 3–4
シュルーズベリー伯ジョージ・タルボット英語版 ギャヴィン・オコナー英語版 3
道化のウィル デイビッド・ブラッドリー 3
サリー伯ヘンリー・ハワード デヴィッド・オハラ英語版 菅生隆之 4
トマス・カルペパー トランス・クームズ英語版 川中子雅人 4
ジョーン・ブルマー英語版 キャサリン・ステッドマン英語版 4
フランシス・デーラム アレン・リーチ 4
フランス大使シャルル・ド・マリラック英語版 ロテール・ブリュトー 4
聖職者
ヨーク大司教トマス・ウルジー枢機卿 サム・ニール 佐々木敏 1
ロレンツォ・カンペッジオ枢機卿英語版 ジョン・カバナー英語版 1–2
ロチェスター司教ジョン・フィッシャー ボスコ・ホーガン英語版 1–2
ローマ教皇クレメンス7世 イアン・マッケルヒニー 1
カンタベリー大司教トマス・クランマー ハンス・マシソン 逢坂力 2
ローマ教皇パウルス3世 ピーター・オトゥール 大木民夫 2
オットー・トゥルホゼス・フォン・ヴァルトブルク枢機卿英語版 マックス・フォン・シドー 石田太郎 3
レジナルド・ポール枢機卿 マーク・ヒルドレス英語版 3
スティーブン・ガーディナー司教 サイモン・ウォード 3–4
その他
マーガレット・テューダー ガブリエル・アンウォー 1
フランス王フランソワ1世 エマニュエル・ルコント英語版 1–2
神聖ローマ皇帝カール5世 セバスチャン・アルメスト 1
サフォーク公爵夫人キャサリン・ブランドン英語版 レベッカ・ウェインライト 1–4
ソールズベリー伯爵夫人マーガレット・ポール ケイト・オトゥール英語版 1, 3
マーガレット・ブライアン英語版 ジェーン・ブレナン英語版 2–4
サー・ジョン・シーモア英語版 ステファン・ブレナン 2
ロバート・アスク英語版 ジェラルド・マクソーリー 稲葉実 3
トマス・ダーシー男爵英語版 コルム・ウィルキンソン 3–4
サー・ラルフ・エラーカー英語版 デヴィッド・ウィルモット英語版 3–4
ヴィルヘルム5世 ポール・ローナン 3
バイエルン公爵フィリップ コリン・オドナヒュー 3
ブリジット・ルスロー セルマ・ブルックフランス語版 4

史実との違い

製作総指揮のマイケル・ハーストは、「エンターテインメントであるソープオペラを作ることを求められたのであって、歴史劇を作ろうとしたのではない」と語っている[1]

このため本作ではフィクションも多用し、登場人物の名前、年齢、時系列などが史実から大きく変えられている。たとえば、

エピソード・タイトル

シーズン1

  1. 英国王 ヘンリー8世 (In Cold Blood )
  2. 仇敵 (Simply Henry )
  3. 仕組まれた恋 (Wolsey, Wolsey, Wolsey! ) ※2007年エミー賞・衣装賞受賞
  4. ヘンリーの決意 (His Majesty, The King )
  5. 悲しき王妃 (Arise, My Lord )
  6. 落日の兆し (True Love )
  7. 神の怒り (Message to the Emperor )
  8. 世紀の裁判 (Truth and Justice )
  9. 栄華の終わり (Look to God First )
  10. 獅子の目覚め (The Death of Wolsey )

シーズン2

  1. 黒い密約 (Everything Is Beautiful )
  2. 決別の時 (Tears Of Blood ) ※2008年エミー賞・衣装賞受賞
  3. 王妃アン (Checkmate )
  4. 宣誓 (The Act of Succession )
  5. 友の死 (His Majesty's Pleasure )
  6. 離れゆく心 (The Definition of Love )
  7. 出会いと別れ (Matters of State )
  8. 愛しい人 (Lady in Waiting )
  9. 罠 (The Act of Treason )
  10. 白鳥の首 (Destiny and Fortune )

シーズン3

  1. 反乱の狼煙 (Civil Unrest )
  2. 恩寵の巡礼 (The Northern Uprising )
  3. 国王の報復 (Dissension and Punishment ) ※2009年エミー賞・撮影賞受賞
  4. 失われた光 (The Death of a Queen )
  5. 改革の揺り戻し (Problems in the Reformation )
  6. 妃を求めて (Search for a New Queen )
  7. 愛なき婚姻 (Protestant Anne of Cleves )
  8. 哀れなしもべ (The Undoing of Cromwell )

シーズン4

  1. 恵みの雨 (Moment of Nostalgia )
  2. 誘惑の香り (Sister )
  3. 密会 (Something for You )
  4. 暗転 (Natural Ally )
  5. 散りゆく花 (Bottom of the Pot )
  6. 老境の恋 (You Have My Permission )
  7. フランス遠征 (Sixth and the Final Wife ) ※2010年エミー賞・美術賞受賞 2010年ゴールデンリール賞・音響編集賞受賞
  8. うたかたの勝利 (As It Should Be ) ※2010年エミー賞・衣装賞受賞
  9. 誇り高き男 (Secrets of the Heart )
  10. 命果てるとも (Death of a Monarchy )

脚注

  1. ^ Gates, Anita. "The Royal Life (Some Facts Altered)." The New York Times. 23 March 2008. Retrieved 1 August 2008.

外部リンク


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