S-II(第二段)飛行手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:03 UTC 版)
「サターンV」の記事における「S-II(第二段)飛行手順」の解説
S-ICが切り離された後、S-IIは6分間にわたって燃焼し、機体を高度176kmまで上昇させ時速25,182km(秒速7km)まで加速する。 S-ICの切り離しから30秒後に、第一段と第二段の接続リングが投棄される。さらにその3秒後に、緊急脱出用ロケット (LES) が切り離される。なおLESを投棄した後も、飛行士には様々な脱出手段が用意されている。 第二段の点火から38秒後に、ロケットの制御は事前にプログラムされていたものから、コンピューターによる自動制御に切り替わる。もし自動制御装置が故障した場合は、飛行士はロケットの制御を司令船のコンピューターに移行するか、緊急脱出するかの二択となる。 第二段の燃焼停止90秒前に、縦方向の共振を抑えるために中央エンジンの燃焼が停止される。初期のミッションでは第一段と同様、加速度を抑えるために中央エンジンが早期にカットされていたが、アポロ14号以降は振動を抑制するためにこの手順が導入された。この時間帯に、第二段に残っている利用可能な燃料は残り少なくなっているため、液体酸素の流量が下げられて混合比が変えられる。この操作は、あらかじめ決定されたデルタ-Vマニューバ(軌道速度微小変化操作)によって行われる。 S-IIのタンクの底には推進剤の残量を計測するセンサーが5個設置されており、その中のどれか2つが「タンクが空になった」という信号を発信すれば、エンジンは停止される。1秒後に、頂上部に設置された固体燃料ロケットが逆噴射して両者を分離し、さらに数秒後に第三段ロケットが点火される。その後S-IIは、発射地点から4,200km離れた大西洋上に落下する。
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