PHSのハンドオーバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 02:03 UTC 版)
「ハンドオーバー」の記事における「PHSのハンドオーバー」の解説
PHSでは、携帯電話に比べ(基地局の)セル半径が小さい事から、同程度の移動速度でも頻繁にハンドオーバーが発生することになる。また、初期のPHSでは、携帯電話と異なり、ハンドオーバー処理にも数秒の時間がかかったため、処理中に通話が切れてしまう問題があり、PHSは切れやすいという不評の一因となった。 このため、受信回路を複数内蔵し、通話中にもバックステージで別の基地局を探し出して、通話中の基地局よりも電波状態が良ければ、すぐに切り替える「高速ハンドオーバー」が各社において改良版として採用された事や、ダイバシティアンテナの採用などで切れやすい問題は改善されている。 なお、安定したハンドオーバーを行うための技術の名称は、会社によって異なっている。1つの基地局と通信中に、電話機にとって安定した電波を出す新たな基地局を探す、という原理は各社共通。また、基本的にチャネル切り替えを伴うハードハンドオーバ(HHO:Hard Hand-over)である。 アステル - 「スーパースムーズ」。無線機を2台搭載(ダブルシンセサイザー)した「スーパースムーズEX(エクストラ)」もある。公称の切替時間は、ノーマルの方が1/4~1/20、EXが最大で1/50である。ただ、内蔵ソフトウェアとの相性や、基地局の微妙な同期のズレなどによる微妙な問題は、EX採用端末でも解消されない部分が残ったようである。 ドコモPHS - 「クイックリンク」。公称の切替時間は約20分の1。3事業者の中で最後に導入した。ただ、 64K対応の基地局間のハンドオーバーに効果が限定された(32K対応の基地局との間では、高速ハンドオーバーは不可)。 ウィルコム - 「ツインウェーブ」。「H"」以降で採用。公称の切替時間はドコモと同様の最大約1/20。音声端末の機種によってばらつきがあるが、おおむね良好な性能である(同社の基地局のセル設計も寄与)。加えて「feelH"」で「ダイバシティアンテナ」を標準搭載した事も通信の安定に寄与した。なお、メーカーによっては「アンテナサーチ」「しっかリンク」と呼んでいる所もある。
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