Oracle と SAP
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 04:31 UTC 版)
「オラクル (企業)」の記事における「Oracle と SAP」の解説
1988年以来10年間、オラクルはドイツの企業 SAP AG との協力関係にあった。始まりは SAP R/3 をオラクルの関係データベース製品と連携させることだった。両者は補完関係にあり、決して競合するものではなかった。SAPは今ではマイクロソフトとも提携し、マイクロソフト製品(Microsoft SQL Server など)との連携を強化しているが、依然としてオラクルとも協力関係にある。オラクルによれば、SAPの顧客の多くがオラクルのデータベースを使っている。 しかし、2000年代後半に入って両社は競合することが多くなり、対立する場面が増えてきた。時には相手企業についてネガティブなコメントを発表することもある。 2004年、オラクルは企業向けアプリケーション市場への関心を増すようになった(1989年、オラクルは Oracle Financials という製品を既にリリースしている)。オラクルはそのための一連の企業買収を開始し、ピープルソフト、Siebel、Hyperionといった企業を手中に収めた。 SAPがリーダーシップを発揮している市場でオラクルが競合しようとしていることが明らかとなり、オラクルが買収した企業の顧客をその機会に奪おうとした。SAPはそれら顧客に特別な値引きを提示した。オラクルも同様の手法でSAPの顧客を奪おうとし、これを同社のミドルウェア製品 "Oracle Fusion for SAP" にひっかけて "OFF SAP" と称した。 2008年現在、オラクルとSAPはサードパーティによるソフトウェア保守サポート市場でも競合している。2007年3月22日、オラクルは再びSAPを訴えた。訴状によれば、SAPの子会社であるTomorrowNowが、以前のオラクルの顧客のアカウントを使い、古いオラクル製品群についてオラクルのウェブサイトから体系的にパッチや文書を取り出し格安でサポートを提供したという。2007年7月3日、SAPはTomorrowNowの従業員がオラクルのサポート用ウェブサイトから「不適切なダウンロード」を行ったことを認めた。しかし、SAP本体の従業員や顧客がTomorrowNowを経由してオラクルの知的資産にアクセスしたことは否定した。SAPのCEO Henning Kagermann は「1回でも不適切なダウンロードが行われたとしたら、私から見れば受け入れられない。このようなことが起きたことを遺憾に思う」と述べた。さらにSAPはTomorrowNowの過失に対してしかるべき対処をすると発表した。
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