ルトスワフスキ
ヴィトルト・ルトスワフスキは、二十世紀ポーランドを代表する作曲家で、1913年1月25日ワルシャワに生まれた。ワルシャワ音楽院でピアノと作曲でディプロマを取得している。
彼の作風は生涯を通じて変化する。第二次大戦前には新古典主義的、大戦後は民族主義的な傾向にあり、そして1960年代には偶然性を取り入れた前衛の旗手として見なされる。また'70年代以降は円熟した管弦楽の語法によって緊張感と優美さを兼ね備えた音楽を実現する。
しかしそうしたルトスワフスキの作風の変遷は、彼個人の柔軟性や好みに寄るところではない。むしろ二十世紀前半に生まれ、ポーランドという「小国」の芸術家に強いられた条件においてこそ刻まれた、一音楽家の軌跡と言えるだろう。
ショパンやシマノフスキといった作曲家を生んだポーランドであるが、二十世紀は過酷な政治的状況を突き付けられた国でもある。戦時下のナチスによる占領、そして戦後長く続いたソ連からの少なからぬ圧力は、その時代を生きた芸術家に決して有利な環境を与えなかった。
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