ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調「皇帝」 | Konzert für Klavier und Orchester Nr.5 Es-Dur Op.73 | 作曲年: 1809年 出版年: 1811年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() | |
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1 | 第1楽章 1.Satz Allegro | 19分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 2.Satz Adagio un poco mosso | 8分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 3.Satz Rondo: Allegro | 9分30秒 | No Image |
作品解説
1800年頃からの十数年間はベートーヴェンの創作の絶頂にある中期にあたり、交響曲第3番「英雄」、第5番「運命」や第6番「田園」、弦楽四重奏曲「ラズモフスキー」の3曲や「大公」トリオ、ピアノ・ソナタ「ワルトシュタイン」、「熱情」、「告別」、ピアノ協奏曲第4番、ヴァイオリン協奏曲などの名曲、大曲が次々に書かれている。
このピアノ協奏曲第5番もこうしたベートーヴェンの創作意欲の大きさが反映した、巨大で力強い作品に仕上がっている。この曲の別名「皇帝」は、ベートーヴェンによる命名ではなく、出版人のJ.B.クラマーによものである。
初演は1811年11月28日、ライプツィヒ・ゲヴァントハウスにて、独奏はJ.F.シュナイダーによって行われた。尚その翌年、ベートーヴェンの弟子でピアノの教則本でも有名なチェルニーの独奏によって、ウィーンでも演奏された。
□第1楽章 アレグロ 変ホ長調 4分の4拍子
曲は協奏風のソナタ形式で書かれている。第4番のピアノ協奏曲では独奏ピアノで曲が始まるという新しい試みを見せているが、この第5番では、オーケストラの力強い主和音のあとすぐにピアノのカデンツァ風のパッセージを華々しく登場させている。これは主題ではなく単なる序奏にすぎないが、その後は風格のある第1主題と、初め短調で奏でられる第2主題とがエネルギッシュに発展して行く。
□第2楽章 アダージョ・ウン・ポーコ・モッソ ロ長調 4分の4拍子
自由な変奏曲形式で書かれた、優しく美しく落ち着いた緩徐楽章。前後の華麗な楽章の中で、素朴で味わい深い音楽がしっとりと奏でられて行く。最後は変ホ長調に移り、第3楽章の主題がゆっくり示され、切れ目なく第3楽章に突入する。
□第3楽章 アレグロ 変ホ長調 8分の6拍子
先の楽章で現れた主題がフォルテで爆発的に開始され、ロンド・ソナタ形式を形成していく。豪快で力感に溢れた華やかなフィナーレ。
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