IMF批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 06:20 UTC 版)
「ジョセフ・E・スティグリッツ」の記事における「IMF批判」の解説
2002年の『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』の中で彼は、グローバリゼーションの必要性は認めた上で、反グローバリゼーションはむしろワシントン・コンセンサスへの反対を示すものと見ている。その上、いわゆる東アジアの奇跡は、最小政府を志向するワシントン・コンセンサスに従わなかったからこそ実現したものとしており、ワシントン・コンセンサスに対する疑問を呈している。また同書ではIMF批判が展開されており、IMFの推し進めた資本市場の自由化は、アメリカの金融セクターのために広範な市場を開拓した反面、その本来の使命であるはずのグローバルな経済の安定には寄与しなかったとしている。またIMFをG7の債権国の代理者と位置づけており、貧しい国々が貧しいままであるような制度設計をした米国の金融セクターに対する不満を表した。 その一方で、IMFと表だって対立はしないもののIMFの方針に全面的に従うということもせず独自の発展政策を採っているポーランドなどの国々の成功事例を挙げている(のちにIMFにはリーマン・ショック直後の2008年11月からポーランドから元首相のマレク・ベルカが転身し、2010年6月にポーランド国立銀行総裁として本国に戻るまで欧州局長を務めることになるが、この期間ベルカは国際的な資本移動に関してIMFの公式ブログサイト「iMF Direct」上で最近のIMF内部のマネタリズムの風潮とはかなり異なる、ケインズやスティグリッツと同様の見解を精力的に披露している)。 IMFなど既存の機関に取って代わるものとして中国主導のアジアインフラ投資銀行や新開発銀行を支持した。
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