IMFに対する「新植民地主義」の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 16:53 UTC 版)
「新植民地主義」の記事における「IMFに対する「新植民地主義」の主張」の解説
新植民地主義が植民地主義の焼き直しに過ぎないと主張する者は、今日のアフリカがIMFやWBに対し借りた時よりも遥かに多くの金を返すため、しばしば国民が必需品すら買えない困窮状態に追い込んでいると指摘する。事実、IMFやWBから福祉や教育、社会基盤の民営化を柱とする構造調整プランを押し付けられ、生活水準の低下が見られるようになった。 こうした状況に対し、国際連合事務総長の特別経済顧問で、2000億ドルにも上るアフリカ全体の負債を帳消しにすることなどを要求するコロンビア大学のジェフリー・サックス教授は次のように述べている。 この見せ掛けを終わらせる時が来た。負債は返せる見込みがない以上、取り消す必要がある。また、アフリカ人も「貸付金は大変ありがいが、今やこの金を死に直面している子どもたちに充てなければならない。だから、我々は福祉や教育、エイズ予防など喫緊の社会的投資に用いるつもりである」と主張しなければならない。 IMF批判は通貨切り下げ政策にも及び、返済の条件として通貨切り下げを求める一方で、低開発国の通貨が切り下げられた以上、ドルやその他先進国の通貨で貸付金を返すべきと主張する姿勢には手厳しい。これは通貨を切り下げればそれだけ負債がかさむことを意味し、それゆえ第三世界を恒常的な借金漬け体質や貧困状態、そして新植民地主義的な従属体制に留め置くからである。
※この「IMFに対する「新植民地主義」の主張」の解説は、「新植民地主義」の解説の一部です。
「IMFに対する「新植民地主義」の主張」を含む「新植民地主義」の記事については、「新植民地主義」の概要を参照ください。
- IMFに対する「新植民地主義」の主張のページへのリンク