IMFの関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/11 08:47 UTC 版)
「ギリシャのユーロ圏離脱」の記事における「IMFの関与」の解説
「国際通貨基金#IMFによる経済予測」も参照 リチャード・クーは、IMFとEUのギリシャへの交渉姿勢を厳しく非難した。IMFは、ギリシャが緊縮プログラムを実行すれば2012年の段階で更なる債務減免は必要ないと主張していた。EUの主張は、ギリシャが構造改革を遅らせたためにギリシャが困難に直面したのだというものだった。これらの主張に対してリチャード・クーは、レーガノミクスで行われた構造改革は短期的には効果が無く、レーガン政権下では米国は構造改革の恩恵をうけなかったことを指摘し、IMFとEUの主張は非現実的であると述べた。 2015年7月、IMFがギリシャの債務返済に関するモラトリアム(30年、もしくはそれより長い期間)の必要性を唱えた。ギリシャへの金銭支援をめぐり、ドイツ側はIMFが支援に加わることを望む。そしてドイツ側はリスボン条約125条を理由にギリシャの債務減免には応じない。一方IMFはギリシャの債務減免が合意されない限りは支援を拒むスタンスである。債務減免だけでは不十分であり、ギリシャへの恒常的な財政支援も必要だとIMFは論じた。これは実質的な所得移転であり、EUの債権国(主にユーロ圏北側の国々)の頭痛の原因である。2010年のギリシャへの最初の金銭支援から、欧州連合は所得移転連合だとする論調がドイツでは台頭してきている。 このIMFの対応をうけ、リチャード・クーはIMFがわずかながらギリシャの実態経済を理解しつつあると述べた。
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