ヘーゲル 【Hegel】
Georg Wilhelm Friedrich Hegel ドイツ観念論哲学の代表者。シュトゥットガルトの中級官吏の家に生まれ、チュービンゲン大神学科で神学を学んだ。自然と歴史の全体を絶対精神がイデー(理念)を実現していく過程と考え、それを概念の弁証法的展開として把握しようとする壮大な体系哲学を築いた。その体系は論理学・自然哲学・精神哲学の三部から成るが、それは「キリスト教の三位一体説をグノーシス的に思弁化しようとすると同時に、諸学問を哲学に統合する試み」といわれ(『広辞苑』)、「彼においては、宗教と哲学は同一内容をもつが、明らかに哲学の方が優位に立つ」とも評されている(『キリスト教大事典』)。また「ヘーゲルは自分の哲学はキリスト教の教義と一致するものと考えていたが、しかしヘーゲルの哲学は絶対者・神が歴史を通じて自己をしだいに実現してゆくと考えるものであり、汎神論的色彩が強く(略)キリスト教の教義と、はたしてよく一致しうるかどうかは問題」との見方もある(『万有百科大事典』)。彼はカントやフィヒテの影響やフランス革命への共感などから、自由主義的神学観をもち、聖職者にはならず哲学者として、ベルリン大で宗教哲学を含む哲学の全般を講義し、学生に敬信されつつ、コレラで没した。死後直ちに弟子たちにより最初の大著『精神現象学』を含む『全集』が出版された。(一七七〇~一八三一)
Hegel
名前 ヘーゲル; ヘエゲル
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