HBV(B型肝炎ウイルス) ( hepatitis B virus )
B型肝炎感染の原因ウイルス。B型肝炎はすでにHBVに感染している人びとの血液を介して感染します。感染の仕方には、キャリア(=HBV陽性者)である母親から出産前後に赤ちゃんに感染する「垂直感染」と、キャリアの血液が第三者の血管内や粘膜に侵入して感染する「水平感染」があります。なお、現在では輸血によるB型肝炎の発生は、ほぼゼロとなっています。肝炎が疑われたときは、採取した血液からさまざまな抗原=抗体の存在が調べられます。最初に調べられるのはHBs抗原(HBV表面抗原)です。この抗原は急性B型肝炎の感染を示す最初の徴候とされています。HBs抗原が消えて数か月経つと、こんどはHBs抗体が出現します。この時点でB型肝炎は治っていると判断されます。この抗原=抗体系とは別に、HBe抗原というものがあります。この抗原の出現はHBVの活動性が高い状態にあることを示しており、それだけ他人への感染力が強いことを意味しています。そこで、このHBe抗原も調べられることになります。また、B型肝炎の患者さんでは、このような抗原=抗体系の検査以外にウイルスそのものをみるHBV・DNAの検査なども行われます。
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