E型連装砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:15 UTC 版)
「五十口径三年式二〇糎砲」の記事における「E型連装砲」の解説
高雄型重巡洋艦に初めて搭載された砲塔。E型の最大の特徴は仰角を70度まで上げて対空射撃を可能とした点である。揚弾筒も対空弾用に1本追加された。ただ装填角度が従来と同じ固定5度なので対空射撃の時は発射速度が大きく落ち、また射撃指揮装置も対空戦闘を考慮しておらず、完全な両用砲とは言えなかった。 高雄型のうち「摩耶」1隻のみは仰角を55度に抑えたE1型砲塔が搭載された。実際の対空戦闘では水平線近くの雷撃機を射撃する機会が多いことが判ったため仰角が抑えられた。またE型の俯仰機構はラック・ピニオンによる方式だったが、これはギアを介する機構のため、ギアの遊びによって命中精度への悪影響があった。それを低減するためE1型からは油圧による俯仰機構を採用した。外見はE型と変わらない。 E2型は改装後の古鷹型重巡洋艦に搭載された。仰角はE1型と同じ55度で、外見もE型、E1型とほとんど変わらない。砲身は妙高型から降ろした1号20cm砲の内筒を削り、2号20cm砲として再利用したと言われる。 E3型は利根型重巡洋艦に搭載された。利根型の1,3,4番砲のリングサポートの形状が上に行くほどすぼまった円錐台形の形をしているのが特徴である。これは新造工事の途中で15.5cm砲から2号20cm砲に主砲が変更されたのが原因で、15.5cm砲より20cm砲の方がローラーパス径が小さいためである。外形は先のE型砲とほとんど変わらない。利根型の2番、4番砲には8メートル測距儀が新たに搭載された(従来は6メートル測距儀)。
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