DirectX 11のリリース
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「Microsoft DirectX」の記事における「DirectX 11のリリース」の解説
2009年、Windows 7と同時にDirectX 11がリリースされた。DirectX 11のうち、GPGPUのために導入されたAPIであるDirectComputeについては、当初はDirectX 11(シェーダーモデル5.0)世代のハードウェアのみに対して提供される予定だったが、2008年11月に開催されたハードウェア技術者向け国際会議「WinHEC 2008」にて「DirectX 10世代のハードウェアでもサポートする」との発表があった。最終的に、DirectX 10.x(シェーダーモデル4.x)世代のGPUでも、DirectX 11 APIを通してDirectComputeが利用できるようになった。なおWindows Vista SP2およびWindows Server 2008 SP2向けのプラットフォーム更新プログラムKB971644には、DirectX 11のバックポートが含まれている。 DirectX 11.0のリリース後、Windows 8/8.1向けにそのマイナーアップデート版としてDirectX 11.1/11.2がリリースされた。Windows SDK 7.1およびDirectX SDK June 2010までは、Windows SDKとDirectX SDKとが別々に提供されてきたが、Windows SDK 8.0ではDirectX SDKと統合された。つまり、DirectX 11.1/11.2の開発環境は、Windows SDK 8.0/8.1に統合されることになった。Visual Studio 2012/2013には、それぞれWindows SDK 8.0/8.1がバンドルされている。なお、Windows SDK 8.0以降では後述するようにいくつかの補助ライブラリが廃止されているものの、DirectX 9/10/11のコアライブラリは含まれているため、Windows XP/Vista/7向けのDirectXアプリケーションを開発することも可能である。しかし、Windows SDK 8.0/8.1に同梱されているXAudio2 (v2.8) はWindows 8以降でしか利用できないため、旧OS上でも利用可能なXAudio2 (v2.7以前) を利用するアプリケーションを開発する場合は旧DirectX SDKが別途必要となる。 2013年3月に、Windows 7 SP1およびWindows Server 2008 R2 SP1向けのプラットフォーム更新プログラムKB2670838がリリースされた。この更新プログラムには、DirectX 11.1のバックポートも含まれている。なお、KB2670838の副作用として旧DirectX SDKに付属するグラフィックス分析ツールPIX for Windowsが動作しなくなる。DirectX 11.1がインストールされた環境では、代わりにVisual Studio 2012以降に統合されているGraphics Diagnosticsを使う必要があるが、Windows 7上では一部の機能が利用できない。
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