Diminished capacityについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 03:48 UTC 版)
「トゥインキーの抗弁」の記事における「Diminished capacityについて」の解説
トゥインキーは、ホワイトの裁判中に法廷でごく僅かに触れられただけであり、弁護側の主張の重要な部分がジャンクフードに立脚していたわけではなかった。弁護側は、ホワイトが糖分過多であったがゆえに殺人を犯したと主張したわけではない。しかし、ある記者が「トゥインキーの抗弁」という言葉を使ったことでこの用語が流行し、世間の誤解が根強く残った。ガス・ヴァン・サントが2008年に製作したハーヴェイ・ミルクの伝記映画である『ミルク』においてもこの誤解が紹介された。ミルクの生と死に関するドキュメンタリーである The Times of Harvey MilkのDVD版のボーナス機能では、ホワイト の弁護人が法廷で実際に主張した内容を説明している。 ホワイトの弁護人が主張した実際の法的抗弁は、彼の精神的能力が低下したというものであり、ホワイトのジャンクフードの消費は、ホワイトのうつ病の原因ではなく、多くの症状の1つとして陪審に提示された。 風刺家のポール・クラスナーは、ホワイト事件を題材とする中でトゥインキーを大げさに取り上げた。さらに後年には、「トゥインキーの抗弁」は自分が作った言葉であると主張した。評決の翌日、コラムニストのハーブ・カンは、サンフランシスコ・クロニクルに、ホワイトが元警官であったことから警察の支持を得られたことと、彼らの「同性愛者の嫌悪」について書いてたが、その中で「狂気のトゥインキーの抗弁」についても簡単に言及した。しかし、公判後に発表されたニュース記事は、しばしば弁護側の主張を不正確に報じ、弁護側の主張が、あたかも既存のうつ病の兆候ではなく原因としてジャンクフードを提示したものであったかのように主張した。ダン・ホワイトは7年後に自殺した。 ホワイト事件やその他の事案に関する否定的な報道の結果として、diminished capacityという用語は、1982年、カリフォルニア州議会と同年の住民投票第8号によって廃止され、diminished actualityに置き換えられた。すなわち、特定の意図を持ちうる能力をいうのではなく、被告人が現実に起訴されている犯罪行為をなす意図を実際に持っていたか否かを問題とするものである。さらに、第1級殺人の要件である計画と悪意に関するカリフォルニア州法上の定義は、州議会によって削除され、コモンローの定義に戻った。この頃には、「トゥインキーの抗弁」はごく一般的な用語になっており、ある議員は討論中に自分の意見を述べながらトゥインキーを空中で振った。
※この「Diminished capacityについて」の解説は、「トゥインキーの抗弁」の解説の一部です。
「Diminished capacityについて」を含む「トゥインキーの抗弁」の記事については、「トゥインキーの抗弁」の概要を参照ください。
- Diminished capacityについてのページへのリンク