C.I.P 準拠実包の性能
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「.338ラプア・マグナム」の記事における「C.I.P 準拠実包の性能」の解説
銃身の長さ 690 mm (27.2 in)、ツイスト 305 mm (1:12) の SAKO TRG-42 という.338ラプア・マグナム弾を使用する代表的な高性能軍用狙撃銃では、海抜ゼロ地点における人間サイズの標的に対する最大射程距離は 1,500 m (1,640 yd) であると考えられる。標準的なラプアの軍用 16.2 g (250 gr) 装弾を使用したとき、銃口初速を 915 m/s (3,000 ft/s)とすると、温暖な夏の気候においては 1,500 m (1,640 yd) の距離まで超音速を維持できると考えられる。 しかし、静止している 45 cm × 90 cm (17.7 in × 35.4 in) のリアクティブ・アーミー・ターゲットに対して80%から90%の命中率を維持しようとするには、この最大射的距離は氷点下では 1,300メートル (1,422 yd) まで、あるいは冬の北極の条件下では 1,100 m (1,203 yd) まで減少し、初速は 880 m/s (2,887 ft/s) まで落ちる。すなわち、温暖な夏という最適な条件下においてのみ 1,500 m (1,640 yd) という最大射的距離が達成できる。 伝統的な鉛コアの 19.44 g (300.0 gr) Lapua Scenar GB528 VLD 弾頭 (G1 BC(英語版) = 0.736) や単金属 CNC 加工のロスト・リバー・バリスティックス J40 .338 17.5 gram (270 gr) 弾頭 (G1 BC = 0.871) のようなさらに空力的によい VLD 弾頭(英語版)を使用することによって、.338ラプア・マグナム・ライフルの長距離性能と超音速限界距離は改善されうる。これらのより長い VLD 弾頭を安定させるためには、254 mm (1:10) のツイストが必要である。銃口初速 915 m/s (3002 ft/s) の標準的な 16.2 g (250 gr) Lapua Scenar GB488 VLD 弾頭と比較すると、19.44 g (300 gr) Lapua Scenar GB528 VLD 弾頭のような相対的に重い弾頭に対する実際に可能な銃口初速はより遅くなり、国際標準大気・海抜ゼロ (空気密度 ρ = 1.225 kg/m3) の条件下で、銃口初速を 837 m/s (2750 ft/s) とすると、おおよそ 104 m (114 yd) 割増の超音速限界距離が得られる。 超音速限界距離の大幅は改善を望むには、実現される銃口初速を大きく犠牲にすることなく、採用した弾頭の空力的効率を著しく向上させなければならない。これは他にも弾丸重量の抵抗係数(英語版)も実際の弾道のふるまいに対する重要なパラメタであることを意味する。銅ニッケル合金製のロスト・リバー・バリスティックス ・テクノロジーズ .338 17.5 gram (270 gr) J40 競技用弾頭は入手できる最も空力的な.338口径弾頭のひとつである。この弾頭は銃口初速 869 m/s (2,850 ft/s) で最も適した温暖な夏の条件下では 1,800 m (1,970 yd) の超音速限界距離を有する。これによって 1,800 m (1,970 yd) までの固定標的に使用できる。
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