BL_60ポンド砲とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 武器・装備 > 兵器 > カノン砲 > BL_60ポンド砲の意味・解説 

BL 60ポンド砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/28 19:50 UTC 版)

BL 60ポンド砲Mk.I。

オードナンス BL 60ポンド砲: Ordnance BL 60 pounder gun)は、イギリスが1904年に設計した口径5インチ(127 mm)の中砲(Medium Gun)。

この砲はOF 4.7インチ砲の後継として設計され、第一次世界大戦におけるイギリス陸軍イギリス帝国イギリス連邦加盟国の代表的な中量級カノン砲であり、第二次世界大戦においてもBL 5.5インチ砲に更新されるまで使用が続けられた。アメリカ合衆国1920年代に数門導入している。

概要

1904年にイギリス陸軍は60ポンド砲のMk.I砲身を設計し、中砲としては初めて砲身後座機能を設けたMk.I砲架を設計した。Mk.I砲身は第一次世界大戦中に製造工程を簡略化したMk.I*砲身とMk.I**砲身が製造されている。

Mk.I砲架は砲身上部にばね圧復座式の駐退復座機を搭載しており、砲身は砲脚の後端ぎりぎりの段階まで後退する。車輪は木製スポーク式で、接地面に鉄板が貼り付けられている。

BL 60ポンド砲Mk.II。駐退復座機は油気圧式に変更され、砲身の下に装備された

その後牽引時に砲身を後座状態で固定するMk.II砲架が設計され、牽引手段も馬から専用の牽引車両に変更された。さらに、重量増加により泥濘地での牽引状態を改善するために砲身をいったん取り外して専用の馬車で輸送するMk.III砲架が設計され、Mk.II砲架をMk.III仕様に改修したMk.II*砲架も製造されている。

1918年には全長を長くしたMk.II砲身と、駐退復座機を気圧復座式に変更したMk.IV砲架が設計されたが、第一次世界大戦終結には間に合わなかった。その後は車輪を空気入りゴムタイヤに換装して第二次世界大戦で用いられたが、BL 5.5インチ砲の配備により1944年には退役した。

なお、Mk.IV砲架はBL 4.5インチ砲の初期型にも採用されている。

スペック

BL 60ポンド砲Mk.Iの駐退復座機
  • 口径:127 mm
  • 全長:m
  • 全幅:m
  • 重量:kg
  • 砲身長:4,064 mm(Mk.I)/ 4,699 mm(Mk.II)
  • 仰俯角:-5°〜+21.5°(Mk.I) / -4°〜+35°(Mk.II)
  • 左右旋回角:4°
  • 運用要員:10名
  • 発射速度:2発/分(最大)
  • 射程:11,200 m(Mk.I、改良型60ポンド榴弾) / 14,200 m(Mk,II、56ポンド砲弾)
  • 運用期間:1905年〜1944年
  • 生産総数:1,756門(Mk.Iのみ)

関連項目


「BL 60ポンド砲」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「BL_60ポンド砲」の関連用語

BL_60ポンド砲のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



BL_60ポンド砲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのBL 60ポンド砲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS