QF_13ポンド砲とは? わかりやすく解説

QF 13ポンド砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 14:11 UTC 版)

QF 13ポンド砲

オードナンス QF 13ポンド砲[1]Ordnance QF 13-pounder)とは、1904年にイギリス陸軍が採用した軽野砲(騎兵砲)である。QFはquick-firingの略で速射砲を意味する。

概要

QF 13ポンド砲はBL 12ポンド 6cwt砲やQF 15ポンド砲の後継としてボーア戦争の戦訓を取り入れて開発され、1904年に王立騎馬砲兵(Royal Horse Artillery)が制式採用し騎兵師団騎馬砲兵隊に配備された。

13ポンド砲の全体的な形状はほぼ同時期に歩兵師団向けに設計されたQF 18ポンド砲Mk.Iとほぼ同じであり、駐退復座機もバネ復座式のものが砲身上部に設置されているが、口径は84mmから76.2mmに縮小されている。砲弾は当初は榴散弾のみであったが、後には榴弾も供給されている。

第一次世界大戦では、初期のドイツ軍ベルギー・フランス侵攻阻止作戦においては機動力を活かすことができたが、1914年末ごろから西部戦線塹壕戦に移行し戦線が膠着状態に陥ると、発揮できない機動力は意味が無く小口径ゆえの威力の低さだけが目立つようになったため、騎馬砲兵の装備はすべてQF 18ポンド砲に更新され、残存の13ポンド砲の砲身は高仰角をとれる対空砲架に搭載されたQF 13ポンド 6cwt高射砲に改修された。

上記のように戦闘用としては早期に退役させられたが、現在でもイギリス陸軍では王立騎馬砲兵国王中隊(King's Troop, Royal Horse Artillery)が礼砲射撃用に数門を保有している。

現代では兵器としては使用されなくなったが、儀礼用としては重要な用途があり女王を初めとする王室関係者や首相経験者などの国葬で棺を乗せる馬車として使用されている。

マーガレット・サッチャーの葬儀で棺を乗せた砲

スペック

  • 口径:76.2mm
  • 全長:m
  • 全幅:m
  • 重量:1,014kg
  • 砲身長:1,861mm(口径)
  • 仰俯角:-5°~+16°
  • 左右旋回角:8°
  • 運用要員:9名
  • 発射速度:発/分(最大)
  • 射程:5,390m
  • 運用期間:1904年~現在
  • 生産総数:416門

脚注

  1. ^ なお、「Ordnance」は英語の「(大)砲の一般名詞」なので正しくは「13ポンド速射砲」と呼ぶべきものである[要出典]

関連項目



QF 13ポンド砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 23:57 UTC 版)

QF 18ポンド砲」の記事における「QF 13ポンド砲」の解説

王立騎馬砲兵用に設計された型で外見上は18ポンド砲のMk.IMk.IIによく似ている18ポンド砲よりも軽量小型であるため機動力には勝るが、小口径短砲身のため破壊力射程距離に劣る。このため第一次世界大戦塹壕戦においては早期18ポンド野砲更新され第一線から退けられたが、現在でもイギリス陸軍王立騎馬砲兵国王中隊礼砲射撃用に保有している。

※この「QF 13ポンド砲」の解説は、「QF 18ポンド砲」の解説の一部です。
「QF 13ポンド砲」を含む「QF 18ポンド砲」の記事については、「QF 18ポンド砲」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「QF_13ポンド砲」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「QF_13ポンド砲」の関連用語

QF_13ポンド砲のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



QF_13ポンド砲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのQF 13ポンド砲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのQF 18ポンド砲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS