8XSによるクリーブランドへの短波中継
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「フランク・コンラッド」の記事における「8XSによるクリーブランドへの短波中継」の解説
工場の屋上に立てた実験局8XS(短波中継機)の銅管式垂直アンテナは接地がうまく機能しておらず、工場内の人や機械の動きがアンテナの共振周波数を揺らがせていることが分かった。そこで12m長のゲージ型ワイヤーを平行に2条渡し、その7m下にも同型のものをカウンターポイズとして張り、両者を結ぶ7mの垂直エレメント部の中央から給電する方法とっている。またクリーブランドに中波放送局KDPMを建設中だったが、短波の受信アンテナが風で揺れて、受信レベルに強弱が付くのを防ぐため、室内に一辺2.4mの大型ループアンテナを設置した。 1923年3月4日、8XSによるピッツバーグKDKAからクリーブランドKDPMへの短波中継の実用化試験放送が始まった。なおウェスティングハウス電気製造会社は後述するヘイスティングスKFKXへの中継を「短波中継の実用第一号」としているが、クリーブランドの住民は今まで聞こえなかったKDKAの番組が短波中継により地元KDPMで聞けることを大歓迎している。その意味において、1923年3月4日を「短波中継の実用化の日」と捉えることもできるだろう。 8XSの短波は、遠く640km離れたマサチューセッツ州スプリングフィールドの系列局WBZでも良好に受かったため、そちらへも不定期に中継放送が行われている。東海岸(大西洋)に近いスプリングフィールドWBZは、KDKAからクリーブランドKDPMまでの距離のおよそ3.5倍あった。 コンラッドは全米20都市のアマチュア無線家や受信マニアらに8XSの受信試験を依頼したところ、全員から大変良好と報告が来たため、短波が番組中継に使えることを確信した。
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