8XSの短波が大西洋を横断
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/14 07:00 UTC 版)
「フランク・コンラッド」の記事における「8XSの短波が大西洋を横断」の解説
世界初の短波による大西洋横断はコンラッドの無線電話で達成された。 1923年9月、短波による大西洋横断試験が始まると、あっけないほど簡単に8XSの短波(周波数3MHz、終段電力1.5KW)がアルトリンチャム受信所で受かった。これまでも深夜になるとアメリカの中波放送を英国で聞くことができたが、短波の方が早い時間帯から聞こえ始めて、さらに火花式無線局(長波)から受ける高調波妨害も遥かに少ないことに、メトロポリタン・ヴィッカーズ電気会社の無線技術者達は驚いた。 1923年10月、短波の6MHzまで動作する10kWの水冷式真空管を開発したコンラッドは、これを2本使った自励発振式送信機(周波数調整範囲:3.0-3.6MHz、空中線電力7KW)を完成させ試験送信を開始した。8XSの短波はさらに強力になり、アルトリンチャム受信所ではフェージングの影響が軽減したにも関わらず、明瞭度は非常に悪かった。やがて搬送波の周波数が変調信号に合わせて揺さぶられていることをつき止め、振動でインダクタンスが変化しないよう配慮した構造の発振コイルや、キャパシタンス変動の少ないコンデンサーを開発したり、送信機全体を載せるスプリング台座の改良などの作業に追われた。
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