21世紀初頭の函石浜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 14:44 UTC 版)
「函石浜遺物包含地」の記事における「21世紀初頭の函石浜」の解説
21世紀初頭における当地の自然環境は、海浜沿いの作物を生育するには厳しい砂丘の状態であるため海浜自然植生が見られ、その内陸にクロマツやハイネズの自然植生と、さらに内陸に人工的に防砂林として植林されたアカシアの林が展開している。クロマツの自然植生は「日本の白砂青松100選」に選出される景勝地の一部に含まれるが、箱石浜では松食い虫被害による松枯れが相次いでいることから、地元の久美浜町箱石区は2010年(平成18年)から日進製作所や京都府立久美浜高等学校、京都北都信用金庫らと協働組織をつくり、毎年クロマツの植栽を続けている。その植栽地は「函石浜遺物包含地」の標柱を取り囲むように、内陸に展開する。これらの植林のため、地図上においては海岸部を除いて「砂礫地」の記号はなく、砂丘地の範囲を判断することはできない。史跡指定地の背後、植林によって固定された砂丘地の一部では、果樹や野菜などの砂丘農業が行われている。 史跡指定地周辺の海岸は、鳥取県まで連なる約75キロメートルの地域が山陰海岸国定公園に指定されているが、函石浜遺跡周辺はそのなかでも群を抜いて自然植生が残る地帯と認識されている。1997年(平成5年)に行われた植物調査報告によれば、箱石海岸の波打ち際から10メートルの地点から砂丘最頂部までの70~115メートルにわたり希少な海浜植物の群落がみられる。
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