21世紀のブラセロス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:43 UTC 版)
「2010年欧州ソブリン危機」も参照 スペイン人の労働時間はEU内で第1位である。一方、平均給与はイギリスの4万ユーロに対して2万ユーロに留まっており、経済が労働者に還元されない状態になっている。したがって高騰する土地家屋の取得はスペイン国民にとって重荷になりつつあった。打開策として多くの国民は銀行と土地取得のローン契約を試みた。銀行側も国民の給与が下げ止まっているにも関わらず、土地価格上昇を見込んで安易なローン審査で次々と契約を結んでいった。先端技術をはじめとする国際産業と、そこへ向けられた外国資本が、実体経済に見合わない不動産バブルを生んでいた。それらが撤退すると、土地法改正から7年後となる2005年に、それまでの約2.5倍に高騰していた土地価格が暴落した。世界金融危機の影響で経営難に陥った銀行は融資を行わなくなった。外国人投資家もスペインから資金を引き上げ、スペイン国債を購入する投資家は激減した。雇用の多くを支えていた建設企業は、不況や公共投資の中断によって倒産が相次いだ。さもなくば労働権の後退につけこみ大規模なレイオフを実行して生き残った。解雇や倒産により失業者となった国民は、債権回収として銀行から家屋を没収された。政府による有効な手立ても無く、街中に職も家も無いホームレスが溢れ返った。
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