2017年から現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 21:09 UTC 版)
「ロシアオリンピック委員会」の記事における「2017年から現在」の解説
2017年12月5日、ロシアオリンピック委員会は、ロシアによる国家ぐるみの組織的なドーピングへの関与が認定され、IOCから資格停止処分を受けた。2018年2月9日から2月25日まで開催された平昌オリンピックには、潔白を証明した選手のみ個人資格での出場が認められ、ロシア選手団としてではなく「ロシアからのオリンピック選手(OAR)」として出場した。 2018年2月28日、2018年平昌オリンピックに参加したOAR選手のドーピング検査が終了し、ドーピング違反で失格となった2選手以外の検査結果が陰性であったと認められたため、IOCは、ロシアオリンピック委員会の資格停止処分を解除した。 2019年12月9日、世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシア反ドーピング機関から提供されたデータがロシア選手の禁止薬物使用を隠蔽する目的でロシア当局によって改竄された疑いがあることから、ロシアに対し、オリンピックを含む全ての国際競技大会への参加を4年間禁止する決定を下した。その後、ロシアは、スポーツ仲裁裁判所に対し、WADAの処分を不服とする申し立てを行った。2020年12月17日、スポーツ仲裁裁判所は、ロシアによるWADAの処分に関する申し立てを検討し、WADAが下した処分を軽減する裁定を下した。裁定では、ロシアの競技大会からの追放を撤回し、ロシア選手のオリンピックやその他の国際大会への参加を認めたが、ロシアの国名、国旗、国歌の使用を2年間禁じ、ドーピングとは無関係であると証明した上で「中立選手(Neutral Athlete)」または「中立チーム(Neutral Team)」として臨む場合のみ出場可能とした。また、チームユニフォームに「ロシア」と表記することや、ユニフォームのデザインにロシア国旗の色を使用することは認められたが、「ロシア」と表記する場合は「中立選手・チーム」を同程度に併記しなければならないとした。 2021年2月19日、ロシアは、ロシアオリンピック委員会の略称である「ROC」として、2020年東京オリンピックと2022年北京オリンピックの競技に参加することが発表された。また、ロシア国旗の代わりにロシアオリンピック委員会のロゴの入った旗を使用し、「ROC」と記載したチームユニフォームを使用することが定められた。ユニフォームに「ロシアオリンピック委員会」とフルで表記することは禁止され、「ロシア」と表記する場合は「中立選手」を併記することが求められた。この名称は、「中華民国(Republic of China)」の略称として同じく「ROC」を使用する台湾で物議を呼んだ。 2021年4月15日、ロシア国旗の色を使用したROC選手のユニフォームが公開された。2021年4月22日、ロシア国歌の代替曲がIOCによって承認された。当初、ロシア民謡「カチューシャ」の使用が要請されたが却下され、ピョートル・チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」の一節が使用されることとなった。
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