1972年の共著「構造化プログラミング」
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「構造化プログラミング」の記事における「1972年の共著「構造化プログラミング」」の解説
1972年の共著「Structured Programming」は計算機科学界の錚々たる三名による三章構成で、第一章はエドガー・ダイクストラの「structured programming」、第二章はアントニー・ホーアの「data structuring」、第三章はオルヨハン・ダールの「hierarchical program structures」となっていた。結びの章の「階層的プログラム構造」を著したダールはSimula67の開発者である。Simula67はオブジェクト指向プログラミングの草分けであり、この章名から継承によるクラス階層構造を重視していたことが伺える。ダイクストラの構造化プログラミングは、制御構文と構造化定理と構造化設計の影に隠れながらも、Simula67をモデルにしたオブジェクト指向プログラミング発展の歴史に組み込まれて受け継がれていったと言える。1983年にC++を開発したビャーネ・ストロヴストルップは「What Is Object-Oriented Programming?」において、オブジェクト指向を抽象データ構造と階層的プログラム構造の発展形として解説し、同時にSimula67の言語仕様を紹介している。 ダイクストラ提唱の構造化プログラミングを支持するドナルド・クヌースは、1974年に自著「Structured Programming with go to Statements」を発表し、その中でgoto-lessの本質に関する補足と解説を加えている。これは当時のgoto文論争に一つの区切りを付けるものであったが、幅広い認知を得るには到らずにgoto文論争は1980年代になっても散発的に繰り広げられた。1970年代後半からマイコンが普及してBASICなどを扱うパーソナルユーザーが増えると、goto命令を使わないのが構造化プログラミングといった見解が取り上げられて再び議論が始まるなど、この論争の影響は後年まで根強く残っている。
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