鹿児島ラーメン(かごしまらーめん)
![]() |
透明、もしくは半濁のさっぱりした豚骨スープを使用する。多くの場合、野菜を多用しているため、柔らかい風味のスープが使われる。麺はカン水を使わないか、使ってもごく少ない白く柔らかいものが好まれる。鹿児島名産の黒豚からとったトンコツを使う店もある。 |
鹿児島ラーメン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/28 13:13 UTC 版)
鹿児島ラーメン(かごしまラーメン)は、鹿児島県を中心とした地域で提供されているご当地ラーメンの一種。
概要
豚骨をベースにした半濁または澄んだスープにストレート麺が基本となっており、これに各店がアレンジを加え個性を競い合っている[1]。タレには地元製の甘味の強い醤油を使うことが多いため、九州他県の豚骨ラーメンに比べてスープに甘味があることも特色となっている。各店舗が独自に発達させてきたため鹿児島ラーメン総体としての特徴は無いとも言われている[2]。逆に、各店舗それぞれに個性があるのが鹿児島ラーメンの特徴とする意見もある[2]。他県と比べると麺は柔らかく仕上げられ、野菜等の具材が多く使われる点などが異なる[3]。
鹿児島県では、古くから豚肉を食する沖縄からの影響もあったが、鹿児島ラーメンが唯一久留米豚骨ラーメンの影響を受けていないと言われるのは、鹿児島最古のラーメン店「のぼる屋」の初代女将が、戦時中に横浜で中国人の看病がきっかけで、その中国人からラーメンを教わった為である。のぼる屋のラーメンは豚とかつお節などを使用した、どちらかと言うと「沖縄そば」に近いラーメンであった。また、早い時期から味噌ラーメンが存在したことも鹿児島ラーメンの特徴である[2]。
郷土ラーメンの多くは、その地域に影響を及ぼした数軒のラーメン店と同じスタイルのラーメンが広まることが多い。しかし、鹿児島市内で老舗ラーメン店の「のぼる屋」「のり一」「こむらさき」は人気店とはなったものの、鹿児島ラーメンのスタンダードとはならなかった[2]。と言うよりは、のぼる屋の初代女将は中国人に教わり、こむらさきや、のり一は台湾にルーツのある店主であったことなど、多種多様なラーメン文化こそが、「鹿児島ラーメンのそもそも特徴」であると言えるだろう。「のぼる屋」「のり一」「こむらさき」の3店のラーメンは由来も異なればスタイルも異なっているが、共にあっさりタイプのスープである。
来店したときに、お茶と大根の酢漬けやたくあんが出てきて、注文の品が出てくるまで漬物を食べて待つスタイルの店が多い[1][3][4]。これは「のぼる屋」でラーメンに大根の漬物を付けたのが、鹿児島では一般的な壺漬けやたまり漬けであるたくあんに
代表的な老舗店舗

- のぼる屋
- 鹿児島市内最古のラーメン屋で1947年(昭和22年)に創業。道岡ツナは戦前、横浜で看護師をしており、患者の中国人から看病の礼としてラーメンの作り方を教わった[5]。2013年(平成25年)に休業、翌年には店主が亡くなり閉店。惜しむ常連客が2016年(平成28年)に再建した[2][6][7][8]が、後に閉店[5]。
- のり一
- 1949年(昭和24年)創業の老舗[8][9]。2022年時点では現存する最古の店となる[5]。神川松一が台湾人の親類から中華そばの店をやることを薦められ、その親類から教わったレシピに研究を重ね、豚骨を若干加えた鶏がらスープのラーメンを産み出した[5]。
- 開業時は一杯50円、2012年時点では一杯300円、2015年(平成27年)時点で一杯500円でラーメンを提供していた[8][10]。
- こむらさき
- 1950年(昭和25年)創業の老舗[7][8]。橋口フミは戦前から食堂を営んでいたが、台湾出身のラーメン職人・王鎮金を迎えて開店した[5][11]。後に王は戦争寡婦だった橋口フミと結婚する[5][11]。しかし、2代目店主の橋口芳明は、義父である王がラーメン職人だったというのは嘘で、日本統治時代の台湾の官僚だった王が戦後の混乱期に日本に来て、職を得るためにラーメン職人を名乗ったと語る[5][11]。
- 桃源(とうげん)
- 1958年(昭和33年)創業[10]。
- 鹿児島ラーメン 我流風 天文館本店(かごしまラーメン がるふ てんもんかんほんてん)
- 1972年(昭和47年)創業で鹿児島ラーメンの代表格とされる[12]。
出典
- ^ a b 『ココミル 鹿児島 霧島 指宿 屋久島(2016年版)』JTBパブリッシング、2015年11月25日、70-71頁。ISBN 9784533108815。
- ^ a b c d e 岩岡洋志『ラーメンがなくなる日』主婦の友社、2010年、73-74頁。 ISBN 9784072756591。
- ^ a b “日本で一番ラーメンの値段が高い地域は・・・『東京』でなく桜島大根で有名な『鹿児島』である”. 新横浜ラーメン博物館. 2018年2月11日閲覧。
- ^ 野瀬泰申. “鹿児島ではラーメンにたくあんが必須 韓国ではキムチ”. 食べ物 新日本奇行 classic. 日本経済新聞. 2017年2月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g 小川祥平「広がらなかった白濁豚骨スープ 異端の鹿児島ラーメン」『Kyodo Weekly 政経週報』2022年10月31日号、共同通信社、2022年、2024年1月30日閲覧。
- ^ “のぼる屋復活 常連結集 鹿児島の老舗ラーメン店 「記憶の味」再現、共同経営”. 西日本新聞. (2016年9月6日) 2017年2月22日閲覧。
- ^ a b 斉藤明美 (2016年9月5日). “鹿児島「最古」のラーメン店復活 ファンが奔走”. 朝日新聞 2017年2月22日閲覧。
- ^ a b c d “<鹿児島ラーメンは黒豚こってり系ではなく、あっさり系の歴史がある”. マイナビニュース (2012年10月23日). 2017年2月23日閲覧。
- ^ 小川祥平 (2015年3月19日). “<12>締めに最適、ルーツは台湾 のり一(鹿児島市)”. 西日本新聞 2017年2月23日閲覧。
- ^ a b 大崎裕史 (2015年3月13日). “鹿児島の激戦区で復活した「桃源」”. ZAKZAK. 2017年2月23日閲覧。
- ^ a b c 山本敦文「<5>万人に好まれなくても こむらさき(鹿児島市)」『西日本新聞』2014年11月20日。2024年1月30日閲覧。
- ^ 『まっぷる 鹿児島: 指宿・霧島'17-'18』昭文社、2017年。 ISBN 9784398281708。
固有名詞の分類
- 鹿児島ラーメンのページへのリンク