鮎沢川とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 文化 > 河川・湖沼名 > 鮎沢川の意味・解説 

鮎沢川

読み方:アユサワガワ(ayusawagawa)

所在 静岡県

水系 鮎沢川水系

等級 2級


酒匂川

(鮎沢川 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 21:13 UTC 版)

酒匂川
松田町内の高台から望む酒匂川
水系 二級水系 酒匂川
種別 二級河川
延長 46 km
平均流量 -- m3/s
流域面積 582 km2
水源 御殿場市
水源の標高 -- m
河口・合流先 相模湾
流域 日本
静岡県神奈川県
テンプレートを表示

座標: 北緯35度15分39秒 東経139度11分02秒 / 北緯35.2609度 東経139.1840度 / 35.2609; 139.1840

歌川広重『東海道五十三次・小田原・酒匂川』

酒匂川(さかわがわ)は、静岡県および神奈川県を流れる二級河川。静岡県内では鮎沢川(あゆざわがわ)と呼ばれる。神奈川県では利水の面において相模川に次ぐ第2に重要な河川である。

特徴

酒匂川と富士山
酒匂川河口

富士山の東麓と丹沢山地の西南部を主な源流とし、JR東海御殿場線東名高速道路と並走するように流れ、丹沢山地箱根山の間を抜け足柄平野(酒匂川低地)を南下、小田原市相模湾へと注ぐ。山間部から平野部に入るときに平野の中央を流れ、耕地を潤すように文命堤(岩流瀬堤、大口堤)が建設された。岩流瀬堤(がらせつつみ)は流れをいったん断崖に導き、大口堤は断崖からの流れを平野中央に導いている[1]

上流の御殿場市付近では、富士山のなだらかな裾野が広がり、流れが穏やかで護岸工事が施され、河川の上流といった雰囲気は乏しい。むしろ、中上流域の小山町から山北町にかけての県境付近の方が、谷が深く大きい岩や石が見られ、こちらのほうが渓流の趣きが感じられる。下流の足柄平野付近では川幅も広がり、周辺には水田や住宅地が多くなる。

古くから東海道が横切るなど重要な交通路と関係が深い。江戸時代の東海道には橋が架けられておらず、川越制度が存在していた。川越人夫が旅人を渡していた「酒匂川の渡し場」は、歌川広重、歌川国貞などの手により浮世絵の題材となった[2]

流域の自治体

主な支流

内川・夕日の滝

主な鉄道・道路

河川沿いの施設

  • 陸上自衛隊 東富士演習場(源流部)
  • ぐみの木近隣公園(山北町内)
  • 松田町酒匂川町民親水広場(松田町内)
  • 開成水辺スポーツ公園(開成町内)

水害

玄倉川水難事故の発生現場付近
  • 1707年(宝永4年)に起きた富士山の宝永大噴火の際には、酒匂川流域で大量の火山灰が積もり、下流では長年に亘って大雨の度に泥流に悩まされた。なかでも、噴火の翌年の6月21日8月7日)から翌日に及んだ豪雨で大規模な土石流が発生、大口堤が決壊し足柄平野を火山灰交じりの濁流で埋め尽くした。1787年に酒匂川流域に生まれた二宮尊徳も、幼少期に繰り返された酒匂川の洪水で苦労を重ねている。
  • 1999年8月19日、支流の玄倉川流域でキャンパーがダムの放流水に流され、13人が亡くなった。詳しくは玄倉川水難事故を参照。
  • 2006年8月17日、上流の静岡県御殿場市や小山町で局地的な豪雨が起こった。このため鮎沢川では急激な水位の上昇が起こり、下流で釣りをしていた25人が逃げ遅れて流されたり、中州に取り残されたりした。そのうち2人が岸までたどり着けずに溺れ行方不明になっていたが、1人が神奈川県小田原市で、1人は河口付近の海上で遺体として発見された。
  • 2007年9月7日、未明に台風9号が神奈川県西部を通過し、松田町では十文字橋の橋脚基礎が洗掘のため沈下し、上部工がV字型に折れ曲がった。全面復旧は翌年12月22日までかかった。
  • 2010年9月8日、台風9号が小山町や山北町を中心に豪雨をもたらし、小山町では酒匂川支流の須川などで護岸が決壊し、床上浸水50棟、床下浸水73棟、また各地で道路が崩落するなどの大きな被害が発生した。小田原市では酒匂川の中州に取り残された人が救助された。降水量は丹沢湖のアメダスで24時間雨量495mm、小田原市のアメダスで24時間雨量238.5mmを記録した。
  • 2019年10月11日から13日にかけて令和元年東日本台風(台風19号)の影響により72時間降水量は240ミリに達し、10月の記録を更新した。

脚注

  1. ^ 知野泰明「近世の災害2」/ 北原糸子編著『日本災害史』吉川弘文館 2006年 190ページ
  2. ^ 東海道五十三次・小田原・酒匂川(保永堂)大錦横絵(初摺)”. 小田原市ホームページ. 2025年2月14日閲覧。

関連文献

  • 宇佐美ミサ子「近世における徒渉制について : 酒匂川徒渉を中心に」『交通史研究』第6巻、交通史学会、1981年、41-62頁、doi:10.20712/kotsushi.6.0_41 

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「鮎沢川」の関連用語

鮎沢川のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



鮎沢川のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの酒匂川 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS