魚種交替
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 18:18 UTC 版)
これら青魚に関して、全盛の魚種が減り、別の魚種が台頭するという「魚種交替説」が唱えられている。主に農学博士河井智康により唱えられているが、イワシ研究家全般から指摘されていたものであり、川崎健など、魚種交代と表記する場合もある。特に青魚は大型魚類と異なり、数百倍の繁殖力を誇る為、極端な増減を示すとされる(生物は栄養段階が高くなるほど、バイオマスの変動も小さくなる)。 前提として、海洋環境の変化がプランクトンなどの生態系の最下層から影響し、青魚類の劇的な増減である魚種交替に及ぶ、これら変動現象は川崎健はレジームシフトと呼ぶ。尚、川崎健のレジームシフトにおいては青魚の魚種交替や、海洋環境の変化でマグロ類やブリ、タラにも変動が及ぶとされる(レジームシフトの項も参照)。 河井説は魚食性プランクトンが大量発生すると、その時の主役となっている魚の小魚が大量に捕食され、次の主役となるべき魚種が大量に繁殖する。というのが概要である。 後述のプロジェクトの過程で、魚種交替にスルメイカを加える見解も出ている。 日本近海 マイワシ→マアジ→マサバ(日本海) マイワシ→サンマ→マサバ(太平洋) 日本国外 カタクチイワシ→マイワシ(南米沖) ニシン→サバ→イワシ(北海) 1994年から3年間かけて、2050年までの魚種交替劇の予測プロジェクトが行われ、その正式レポートは「魚種交替の長期予測研究報告書」として水産庁で印刷されている。
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